2025.09.27

男子は73選手増えて「1,768選手」(+4.3%)…2025年高体連登録選手数

 全国高校体育連盟は令和7年度の各競技の登録選手数を発表。レスリングは、男子が前年から73選手増の「1,768選手」(+4.3%)、女子は12選手減の「238選手」(-4.8%)で、男女合わせると61選手増の「2,006選手」(+3.1%)だった。 ただ、実施校は男子が2校減の「218校」、女子は10校減の「100校」となった。

 全競技の合計は、男子が前年から8,935人増の「69万2,105選手」(+1.3%)、女子が2,051選手減の「36万5,074選手」(-0.6%)。レスリングの男子は、全体を上回る増加率。

▲競技人口回復の兆しが見えた高校レスイング界=2025年インターハイ開会式

 同じ組み技格闘技として、競技人口減少の課題と向き合っている柔道も、男子は327選手増の「11,233選手」(+3%)、女子が14選手減の「3,227選手」(-0.5%)で、男子は増えている。格技系では、空手が男女とも選手数を減らしているが、ボクシング、相撲、フェンシングなどは、微増か、ほぼ現状維持。

 高校スポーツ界全体の取り組みが功を奏しているのか、コロナ禍から時間が経ったからかは不明だが、スポーツ離れに歯止めがかかりつつある状況となっている。

 都道府県別では、千葉県が昨年の「81選手」から「96選手」に増え、宮崎県を追い抜いて1位に浮上。宮崎県は「70選手」から「81選手」に増やしたものの、1位の座を奪われた。3位には岐阜県が10選手増やして「76選手」で入り、神奈川県の「75選手」、三重県の「74選手」が続いた。

 女子は、昨年に続いて東京都が1位だが、「27選手」から「23選手」に減少。宮崎県が「14選手」、群馬県が「13選手」で続いた。女子選手のいない県は、昨年は宮城県、福井県、奈良県の3県だったが、山梨県と沖縄県が加わり、5県で不毛県となった。

 全国高体連レスリング専門部の千葉裕司部長は、このところ減っていた登録者数が男子だけでも増えたことについて、「パリ・オリンピックでの好成績の影響が少しはあると思うが、根本は各先生方の努力のおかげだと思う」と、選手集め・普及に尽力している指導者へ感謝の言葉。

 これまでは減少を食い止めることが目標だったが、増加に転じたことで、男子で2,000選手を目標にV字回復することが今後の目標となろう。計算上は、1都道府県で5選手、あるいは1校で1選手を増やせば2,000選手数に近づき、超えることになる。同部長は「単に『頑張れ』だけではダメ。専門部として普及への方策を考えていきたい」と話した。