9月23日に石川・金沢市で行われた「2025マスターズレスリング・オープントーナメント金沢大会」には、三恵海運の鈴木貫太郎コーチが、監督を務める帝塚山大の佐藤将章コーチ、沼田義次コーチ(沼田将吾主将の父)の2選手とともに出場。鈴木コーチと佐藤コーチが優勝、沼田コーチはセコンドについた将吾主将からの熱い声援で健闘したが無念の銀メダル。しかし、“TEAM San-E”の3人がそろってメダルを手にした。
鈴木コーチは大会前、学生選手との練習で腰を痛め、「アキマヘン」と弱気だったが、試合になると豹変し、しっかり勝利。2023年大会に続いて金メダルを手にした。9月29日からの国民スポーツ大会(滋賀)では、同じ階級(男子フリースタイル97kg級)に髙橋夢大(京都代表)と吉田ケイワン(千葉代表)の2人の所属選手が出場することもあり、2人にエールを送った形。
この大会と同時期にクロアチアで行われた世界選手権には、今年は三恵海運から選手を送ることはできなかったが、コーチの頑張りで来年以降の弾みがつきそう。帝塚山大の監督として、コーチともどもの奮戦に「学生選手にはいい刺激となると思います」と話し、12月に西日本学生秋季リーグ戦(大阪)での一部リーグ定着を誓った。
その“TEAM San-E”に、重量挙げでオリンピック3大会(2012年ロンドン・2016年リオ・2020年東京)連続出場し、リオデジャネイロ大会では6位入賞の八木かなえさんが応援に駆けつけた。八木さんは、三恵海運のある兵庫県神戸市出身。現在は母校・金沢学院大学で助教授を務め、ウエイトリフティング部のコーチとして後進を育てている。
金沢学院大学ウエイトリフティング部の菊田三代治監督(2004年アテネ・オリンピック重量挙げ監督)が、三恵海運・髙田肇相談役(前社長)の大体大時代の3年先輩で、選手時代にウェートトレーニングの指導を受けるなどお世話になった。八木かなえさんが兵庫・須磨友が丘高校で重量挙げを始めたときに指導し、素質を見抜いた横山信仁コーチは、三恵海運の髙田琴惠社長の高校時代の体育の先生。
八木さんが菊田監督のいる金沢学院大へ進学すると、横山コーチも同大学のコーチに就任し、二人三脚でオリンピック出場を果たした。そのつながりから、今年8月、八木さんが恩師の横山コーチ、来月の世界ウェイトリフティング選手権への出場が決まっている同大学の西尾明莉選手(3年=兵庫・須磨友が丘高卒)とともに三恵海運を訪れた。
金沢市で鈴木コーチが出場する大会があることで、スケジュールを調整し、7人の部員とともに応援に駆けつけてくれた。現役時代の2015~22年にはALSOKに所属しており、伊調馨さんらの“チームメート”。これからもレスリングへの応援が期待される。