(2025年9月19日、クロアチア・ザグレブ / 取材=布施鋼治)
■男子グレコローマン60㎏級・稲葉海人(滋賀県スポーツ協会=2回戦で今年3月のアジア選手権に続いて北朝鮮のリ・セウンに連敗)「自分のやるべきことが全然できなかった。最初はグラウンドを守って、というところだったんですけど、前半からよくない展開というか、自分の足が止まっていた。調整の問題なのか、アップの問題なのか分からないですけど。北朝鮮の選手は今年のアジア選手権でもやった相手だったので、何をしてくるのかも分かっていました。
全体的に自分がしたいこと以上に、相手がしてくることにどうやって対処しようかな、っていうことを考えていた。自分がチャレンジャーなのに、待ちの姿勢というか、自分のレスリングができないというか。そういうところがチグハグでかみ合っていなかったと思います。僕にとっては初めての世界選手権だったけど、(文田)健一郎先輩がやってきた階級なので、もっといい試合をしたかった。不本意な結果になってしまいました。すべてを受け入れて、もっと強くなるしかない」
■男子グレコローマン72㎏級・成國大志(筒井メディカルグループ=初戦でスイス選手に1-2で黒星)「まだ状況の整理がついてないんですけど、相手が結構背が高い選手で、自分の苦手とするタイプではありました。こんなところで終わってしまい、応援してもらった人たちに申し訳ない気持ちでいっぱいです。対戦相手のことはビデオでしっかり研究していました。そんなに実績のない選手であることは分かっていたけど、気を抜いたつもりは一切ありません。
2回戦で当たる予定だったジョージアかトルコの選手が強いのは分かってました。初戦を勝たないと、そこすらないということも分かってた…。全力でやった結果がこれでした。第1ピリオド早々、ステップアウトで1点取られたことものもまあ大きかったけど、その後、自分が場外際でガブったところでしっかり点を取れなかったところの方が、問題だったのかなと思います。今後? こんな状況では何も決められないですね」
■男子グレコローマン92㎏級・仲里優力(松尾建設=初戦でチェコの選手に0-3で黒星)「ちょっと自分のミスが多かったですね。第2ピリオドの失点は(相手の顔を必要以上に押した)コーション。1回注意が来てたのに、相手の顔に手を置いて距離をとってしまったので。実際にはくっついても怖くない選手だったので、ちょっとびびりすぎたのかな、という思いはあります。僕は、世界だとまだまだ弱い。アジアだと3番手に組み込めるんですけど、世界になると、ヨーロッパ勢が強くて。
今大会では日本のフリースタイルの重量級が活躍してくれた。オレも乗っちゃおう、みたいな感じでしたけど、現実全然違いましたね。具体的にいうと、技術うんぬんよりパワーの差を感じました。どんなに技術で崩しても、うまく崩れない。今日も、僕に組み手をさせないように両腕で片方の手をつかまれ、何もできなくなってしまった。海外で通じる組み手は分かっている。今後はもっとウエートトレ-ニングなどフィジカルの部分をもっと強化しないといけないですね」