(2025年9月16日、クロアチア・ザグレブ / 取材=布施鋼治)
■男子フリースタイル65kg級2位・清岡幸大郎(カクシングループ=パリ・オリンピック決勝で勝ったイランのラフマン・アモウザドハリリに敗れる)「自分の勝ちへの執念と、相手のオリンピックに負けての悔しさとに対する気持ちで、差が出たのかなというふうに思います。ここしっかり勝ち切らないと、レスリング・ファンの人たちに大物のチャンピオンって認めてもらえないと思ってたので、勝ちたかった。追われる立場として、対応というか、相手が対策してくる部分を上回れなかったことが、今回の敗因だと思います。(相手はタックル返しを狙っていたように感じたが)一応、イメージはしていましたが、そこが技術的な課題かな、と思います。
改めて厳しい世界と思います。でも、まだまだ伸びしろがあり、成長できる部分もあって、大きな目標であるLA(ロサンゼルス・オリンピック)に向けて、もっとギアを上げて頑張っていきたいと思います。今日は、とことん悔しく絶望して、明日からは切り替えて、次は自分が本当の意味でのチャレンジャーになると思います。(ラフマンと)1勝1敗で、3試合目があると思うので、次は絶対負けないように練習していきたいと思います」
■男子フリースタイル97㎏級3位・吉田アラシ(日大=3位決定戦でポーランドのズビグニェフ・バラノフスキーを6-0で撃破)「動画で分析していたけど、思っている以上に自分の組み手が効いていた。(3位決定戦の相手が決まった時点で)強い相手と分かったいた。気持ちの切り替えは難しかったけど、親も見に来てるし、3位は確実に取りたいっていう気持ちで挑みました。
(この階級での銅メダルは日本史上初ということについて)それは周りにも言われていました。でも、それ以上に日大の先輩である男子フリースタイル86㎏級の石黒隼士先輩が決勝に進出して、惜しくも2位になってしまったんですけど、自分はそこにたどり着けなかったっていう時点で、同じ重量級として、まだまだという気持ちにです。97㎏級で世界選手権に出るのは初めてだったので、最初はトーナメントでいい場所(枠)を引きたいと思っていました。(97㎏級での自分の立ち位置について)パリ・オリンピック2位の選手に勝てたのは大きかったのですが、準決勝でカール・スナイダー選手に返り討ちに遭ってしまい、まだ優勝には届かないところにいることは分かりました」
■女子55㎏級3位・内田颯夏(日大=3位決定戦でトルコのエルビラ・スレイマンからテクニカルスペリオリティで勝利)「メダルを獲得できて、すごくうれしい気持ちはあるけど、準決勝でああいうふうに負けてしまったので(北朝鮮のオ・キョンリョンにフォール負け)、悔しい気持ちの方が今は大きいです。でも、メダルを取って帰るか帰らないかの差はすごく大きいと思ったし、初めてのシニアの国際舞台で絶対にメダルを取って帰りたいと強く思っていたので気持ちを切り替えて3位決定戦に挑むことができたのかなと思います。
スレイマセン選手は力がすごく強くて、首をつかんでくるタイプでした。あまり得意なタイプではなかったけど、得意の片足タックルやいろんな組み手を使いながら、絶対にポイントを重ねて勝つと決めていました。途中、4-0になって、もっと点数がほしくて不安になったとき、(観客席にいた)日大の齋藤(将士)監督から『颯夏、大丈夫。頑張れ』という声が耳に届いたときには心強かったです」