2025年世界選手権第4日は9月16日、クロアチア・ザグレブで前日開始の男女4階級の敗者復活戦とファイナルが行われ、女子59kg級の尾西桜(日体大)が金メダルを獲得、男子フリースタイル65kg級の清岡幸大郎(カクシングループ)が銀メダル、男子フリースタイル97kg級の吉田アラシ(日大)と女子55kg級の内田颯夏(日大)が銅メダルを手にした。
尾西は8月の「ポーランド・オープン」を制したマリア・ビニュク(ウクライナ)と闘い、一時は1-6とリードされたが反撃に転じ、7-6と逆転。その後もポイントを取り合ったあと、13-8から相手の極め反り投げをつぶし、5分51秒、フォール勝ち。初出場初優勝を達成した。2023年にU17世界選手権、2024年と今年のU20世界選手権を制しており、3世代目の世界チャンピオンとなった。
清岡はパリ・オリンピックの決勝を争った2022年世界王者ラフマン・アモウザドハリリ(イラン)と約1年1ヶ月ぶりの再戦。最初のタックルをレッグホールドで返されて2点を失い、その流れで0-6と劣勢へ。場外逃避と警告で2点を失い、起死回生を狙ったタックルをレッグホールドで返されて0-10。試合の流れを取り戻せないまま第1ピリオド終了間際の2分52秒、0-10で敗れた。
吉田は敗者復活戦を勝ち上がってきたパリ・オリンピック8位のズビグニェフ・バラノフスキー(ポーランド)と闘い、危なげない試合運びで6-0の勝利。これまでの世界選手権とオリンピックで、90kg級で銀メダルや92kg級で銅メダルはいるが、93kgを超える階級で初めて日本にメダルをもたらした。
内田は欧州選手権2位のエルビラ・スレイマン・カマログル(トルコ)を相手に終始攻め、5分26秒、10-0のテクニカルスペリオリティ勝ち。初出場でメダルを獲得した。
男子フリースタイルはこの日で全日程を終了。「金2・銀2・銅1」を獲得し、2023年大会の「銀1・銅1」を大きく上回った。国別対抗得点は111点をマークして3位に入賞。2階級を制した2022年と同じ順位だったが、得点は同年の70点を大きく上回った。優勝は145点をマークしたイラン。米国が134点で続いた。
各選手の成績は下記の通り。
【65kg級】清岡幸大郎(カクシングループ) 2位=34選手出場《ブラケット》
決 勝 ●[VSU、2:52=0-10]Rahman M. AMOUZADKHALILI(イラン)
《以下、前日に実施》
準決勝 ○[5-0]Umidjon JALOLOV(ウズベキスタン)
4回戦 ○[3-0]Ibragim S. IBRAGIMOV(UWW=ロシア)
3回戦 ○[9-4]Ayub M. MUSAEV(ベルギー)
2回戦 ○[VSU、4:58=13-2]Alibeg Saigidgusein M ALIBEGOV(バーレーン)
1回戦 BYE
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【97kg級】吉田アラシ(日大) 3位=29選手出場《ブラケット》
3決戦 ○[6-0]Zbigniew BARANOWSKI(ポーランド)
《以下、前日に実施》
準決勝 ●[1-9]Kyle F. SNYDER(米国)
3回戦 ○[6-2]Givi MATCHARASHVILI(ジョージア)
2回戦 ○[VSU、4:27=10-0]Ertugrul AGCA(ドイツ)
1回戦 ○[フォール、1:32=7-0]Domantas PAULIUSCENKO(リトアニア)
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《国別対抗得点》
[1]イラン 145点、[2]米国 134点、[3]日本 111点、[4]アゼルバイジャン 83点、[5]バーレーン 53点、[6]カザフスタン 48点、[7]キルギス 41点、[8]北朝鮮 35点
【55kg級】内田颯夏(日大) 3位=18選手出場《ブラケット》
3決戦 ○[VSU、5:26=10-0]Elvira SULEYMAN KAMALOGLU(トルコ)
《以下、前日に実施》
準決勝 ●[フォール、1:05=0-4]Kyong R. OH(北朝鮮)
3回戦 ○[10-5]Oleksandra KHOMENETS(ウクライナ)
2回戦 ○[8-4]Nishu NISHU(インド)
1回戦 ○[VSU、1:12=10-0]Khulan BATKHUYAG(モンゴル)
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【59kg級】尾西桜(日体大) 優勝=22選手出場《ブラケット》
決 勝 ○[フォール、5:51=17-8]Mariia VYNNYK(ウクライナ)
《以下、前日に実施》
準決勝 ○[フォール、1:22=6-0]Altjin TOGTOKH(モンゴル)
3回戦 ○[VSU、2:42=12-0]Anastasia SIDELNIKOVA(UWW=ロシア)
2回戦 ○[VSU、2:13=10-0]Laylokhon SOBIROVA(ウズベキスタン)
1回戦 BYE