昨年のパリ・オリンピックの男子グレコローマン77kg級決勝で日下尚(当時三恵海運=現マルハン北日本カンパニー)に敗れたデメウ・ジャドラエフ(カザフスタン)が8月9~10日にドイツ・ドルトムントで行われた2025年「ドイツ・グランプリ」に出場、オリンピック後初の国際大会を優勝で飾った。
同選手は2017年世界選手権71kg級2位などを経て、2021年東京オリンピック77kg級に出場(9位)。2023年世界選手権でも5位に入り、パリ・オリンピックでは2回戦で2年連続世界王者のアクジョル・マフムドフ(キルギス)、準決勝で前年世界2位のサナン・スレイマノフ(アゼルバイジャン)を破って決勝へ進出した。
35歳という年齢からして進退が注目されていた。同大会の同級にはカザフスタン選手が3人出場していたが、他の2選手はメダルを逃しており、ジャドラエフが世界選手権に出てくる可能性が高い。
なお、日下のライバルの一人だったマルハス・アモヤン(アルメニア)は今年4月の欧州選手権と7月の「ピトラシンスキ国際大会」(ポーランド)で連続優勝と絶好調。同級のランキング1位は今年のアジア選手権優勝のアラム・バルダニャン(ウズベキスタン)で、ともに世界選手権出場が見込まれる。
一方、アクジョル・マフムドフ(カザフスタン)は、キルギスのメディアによると、「今年の世界選手権には出場しない」という。