ギリシャ・アテネで行われた2025年U17世界選手権が終わり、最後に行われた男子フリースタイル・チームが8月3日に帰国。平井満生団長(山梨・甲府城西高)が3スタイルを総括した。
昨年に続いてメダルがなかった男子グレコローマンについては、結果とは裏腹に「軽量級のみならず重量級も世界で闘えるよういなっていると感じた」と言う。昨年のパリ・オリンピック金メダリストの日下尚選手や、曽我部京太郎選手のようなスタンド戦でプレッシャーをかける闘い方が、この世代でも浸透していて、選手が「その闘い方をすれば海外選手とも闘えると感じ、見習ってきた成果」と分析。願わくば「メダルを取りたかった」としながら、「十分にやっていける。来年に期待したい」と言う。
女子は昨年より順位を下げ、2011年にこの大会が再開されてから初めて2位を外れてしまったが、近年躍進が目覚ましいインドのほか、「アメリカが力をつけてきたのが一因」と言う。米国は、3年後のロサンゼルス・オリンピックへ向けて強化に力を入れていることは明白。U17世代の選手がオリンピック代表争いにからむかどうかは分からないが、全体の底上げがなされていて、その流れでU17世代の実力も急激に伸びていると推測する。
その中で金1個を含めてメダルを取った選手もいるので、「世界で十分に通用する実力がある。もっと経験を積ませ、もう少し工夫をしながら巻き返したい」と言う。
男子フリースタイルは、昨年なかった金メダルを取ることができ、「君が代を聞けたのは感慨深いものがありました」と、指導者冥利につきたと言う。メダルに手が届かなかった選手も「接戦の中で惜しくも負けた、という試合もあり、今後の頑張りでメダルには手が届く」と見ている。日の丸を背負った選手が堂々と闘い、世界で十分に闘えることを証明してくれたことに「感謝しています」と話した。
3スタイルを通じたレベルは「間違いなく上がっています」と言う。その中で、男女とも米国が台頭してきたことをマークしなければならないことを感じ、今月中旬にあるU20世界選手権(米国)でも、「米国の躍進は要注意でしょう」と警鐘を鳴らした。