2025.08.03NEW

【2025年インターハイ・特集】昨年に続く3位はならなかったが、「もう一度、全国一を成し遂げるのが目標」…足利大附・青木強監督

 インターハイ出場55回を誇る足利大附(栃木)は、3試合を勝ち抜いて準々決勝へ進出したが、大体大浪商(大阪)に2-5で敗れ、昨年(3位)に続く表彰台は達成できなかった。

 青木強監督「去年は3年生主体。今年は3年生が2人の若いチーム。正直、ベスト8まで行けるかどうは不安があった」そうだが、3年生が役目を果たし、1・2年生が残りのうち2階級を勝つというパターンで1回戦から勝ち抜いた。

 準々決勝も、終了間際までリードしていながら逆転負けを喫した60kg級の内海楽が取っていれば、勢いがついてどうなったか分からない状況だった。「1年生ですから、これからです」と思いやり、選手の健闘を評価した。

▲1年生ながら善戦した60kg級の内海学(赤)

群馬県や埼玉県の強豪チームと積極交流

 同高は、のちに全国高体連専門部の理事長を務めた大島大和氏が監督時代の1976・77年、2年連続で全国優勝を達成したチーム。石川利明氏に引き継がれ、2年前に青木監督(同高~国士舘大卒)が歴史をつないだ。

 12年前に同高に赴任してコーチを始めた頃は、入学後にレスリングを始めた選手が多かったが、今はキッズ・レスリングの経験者も多くなり、現在は14人の部員のうち13人が経験者。しっかり育てていけば、来年、再来年は期待が持てそう。

 「学校対抗戦は試合の流れをつくることが大事。まず軽量級をしっかり強化したい。そのうえで、個々の選手と課題を話しながら強化していきたい」と言う。

▲55回出場の伝統校を率いる青木強監督

 足利市は群馬県に近い場所に位置し、館林高など群馬県の高校や育英大(前橋市)どの交流も活発。埼玉県加須市にある花咲徳栄高も近く、「他県の強豪に胸を借りて強化しています」と言う。

 かつて全国制覇を成し遂げた高校ということのほか、1976年モントリオール・オリンピック代表の谷津嘉章を生んだ高校。谷津以外にも三沢光晴、川田利明ら有名プロレスラーを輩出した高校として、昭和・平成のプロレス・ファンの間でも知名度は高い。同監督は「もう一度、全国一を成し遂げるのが目標です」と、きっぱり言い切った。