東京・東京体育館で行われた2025年明治杯全日本選抜選手権最終日の6月22日、パリ・オリンピック代表選手5人によるサイン会が会場内で行われ、約30分間、各選手がペンを走らせた。
レスリングの普及と広報にことのほか熱心な高谷大地選手(自衛隊=男子フリースタイル74kg級銀)の発案で実現したファンサービス。時間のとれた樋口黎選手、文田健一郎選手(ともにミキハウス)、櫻井つぐみ選手(育英大助手)、鏡優翔選手(サントリー)が参加した。
5選手はサイン会前に報道陣の質問に答え、今後の活動計画などを明かした。高谷選手は7月12日(土)~13日(日)の全日本社会人選手権(埼玉・富士見市立市民総合体育館)の両スタイルに出場することも明言。報道席を訪れて「取材に来てください」と宣伝活動し、レスリングの広報に並々ならぬ姿勢を見せた。
各選手との一問一答は下記の通り。
--近況、今後の予定について、一言ずつお願いします
樋口 12月の天皇杯(全日本選手権)で復帰する予定です。今は大学院に通いながら練習をしている段階です。
文田 僕も12月からっていうのは一緒です。日体大の母校の外部コーチという形で、指導者としての立場にも就き、今回は初めてそういう立場で見る全日本選抜選手権です。難しさとか、楽しさを感じながら、ちょっと今までとは違う立場でレスリングができていて楽しいです。
高谷 オリンピアンの方達が頑張って試合に出たり、指導をしながらも自分の練習をしている中で、その人たちの個性がしっかりと生きるような環境づくりをしながら、いろいろと取り組んでいます。僕自身は社会人の方も盛り上げようということで、来月行われます富士見市で行われる全日本社会人選手権に出場予定です。今回はフリースタイルとグレコローマンの両スタイルに出る予定で、79kgと82kgです。2日間のどちらも盛り上げられるように、自分自身も仕上げていきながら、レスリングの魅力も発信できたらなと思います。
櫻井 私は、中学生のレスリングを見させていただいたり、ビーチレスリングの予選に出させていただいたりしています。(ビーチレスリングの)国際試合にも出場しようかと思っています。少しずつ、自分のペースで試合に出ていきたいと思っています。
鏡 12月の天皇杯(全日本選手権)を目指して取り組んでいますが、10月にアメリカから1試合の招待をもらっていて、その試合にも出ようと思っています。ただ、メーンは12月です。今回(明治杯)の試合も見て気合が入ったので、それを所属に持ち帰って頑張っていきたいと思います。
--(櫻井へ)ビーチレスリングと言われましたが、マットのレスリングはあまりやっていない?
櫻井 ビーチで練習したことはないんですけど…。まだこの大会で復帰する、というのは決めていません。考え中です。
--(櫻井へ)ビーチの国際大会はいつ頃?
櫻井 まだ正式には(決まっていない)。秋ぐらいですね。ワールドシリーズに出るかもしれません。
--(樋口・文田へ)若手の伸び具合は、どう感じますか?
樋口 若い有望な選手もたくさん育ってきているのと、コーチとしての目線と、当事者としての目線、どちらも持ちながら見られています。すごく有望な若手たちが育ってきてうれしいと思う反面、自分の目標は日本のフリースタイルのレスリングの歴史の中で史上最強の選手になりたいので、ロサンゼルスで2連覇して、歴代で僕が一番強い選手だと証明して終わりたいと思います。
文田 グレコローマンは、オリンピックで結果を出した階級も、出していない階級も、みんながレベルが高いです。明治杯にかける、というより、(多くの選手が)その先を見て取り組んでいると思います。(自分の階級である)60kg級に関していうと、会話やふだんの練習から。僕を倒そうという気持ちがすごく伝わってくる。それは僕が伸びる要因にもつながるので、それはそれでうれしいなと思います。
--(樋口へ)12月の階級の予定は?
樋口 一応、57kg級の予定ではありますけど…。今、しっかり体を作っている段階なので、でかくしすぎると、試合のマットに立てるかどうかという問題が大きくなる。一番の目標はロサンゼルス・オリンピックなので、その過程で、57kg級か61kg級かは分からないですけど、(予定では)57kg級の予定です。
--(鏡)アメリカの試合はワンマッチですか?
鏡 ワンマッチらしいです。場所はサンディエゴですが、相手がだれかもまだ決まっていないらしいです。いろいろな競技の試合もやりつつ、その中にレスリングもある。ワンマッチだけというのはあまり自分が経験したことないので、楽しみです。海外でレスリングがどう見られているのか感じつつ、自分のレスリングがどれくらい戻っているのかの経験の意味も込めて出たいなと思って。