2025.06.27

U17アジア選手権(ベトナム)出場の男子グレコローマン・チームが帰国

 ベトナム・ブンタウで行われた2025年U17アジア選手権に出場した男子グレコローマン・チームが6月26日、羽田空港に帰国した。前年の「銅2個、国別対抗得点8位」を上回る「銅3個、国別対抗得点5位」だった。

▲ベトナムから帰国した男子グレコローマン・チーム

 昨年に続く参加となった梅野貴裕監督(愛媛・八幡浜工高教)は「ここ数年、何回か引率させてもらい、日本のレベルが年々上がっていることを感じます」と振り返る。これまでは、負ける選手は技を出せず、ポイントを取れずに負ける、という印象だったそうだが、今大会の選手は自分の持ち味を出すことができて初戦を突破するなり、敗者復活戦へ回るなりした。それが、メダル獲得以外にも4・5位入賞が4人という結果につながったと分析した。

 ただ、優勝となると2018年までさかのぼらねばならない(その前は2003年)。昨年「金3・銀4・銅3」のイランがイスラエルとの紛争の影響で不参加で、参加していれば「優勝」はさらに遠かったかもしれない。しかし、ウズベキスタンなど中央アジアの国も強く、その背中が見える位置にいることは間違いないと言う。

 U15でグレコローマンが始まり、若い世代のレベルアップが見込まれる。「今後が楽しみです」と、この世代のグレコローマン選手の飛躍を期待した。

 成瀬一彦コーチ(岐阜・中津商高教)も「どの選手も頑張り、自分の持っているレスリングを出したと思います」と、現在の実力は出せた大会だったと見ている。勝てなかった選手は、一瞬のすきを突いて爆発的な力で攻められグラウンドで転がされるなど、技術の差というより試合展開をうまく作れなかったケースで、日本にはいない爆発的な攻撃力を持つ海外選手とどう闘うかが今後の課題と言う。

 やはりU15のグレコローマン開始には期待しており、「若い世代のグレコローマンを盛り上げたい」と話した。

▲羽田空港での最後のミーティング


 ■48kg級3位・山本樹稀也(山梨・甲府城西高)「初めての国際大会出場でメダルを取れて、とてもうれしかったです。得意の投げやがぶり返しを試合で出すことができました。負けた準決勝は、それができませんでした。外国の選手はグラウンドの攻撃が強かった。自分はグラウンドの守りが弱いので、それが出てしまった試合です。この経験をもとに、弱点を克服し、次の全国高校生グレコローマン選手権で上位に入れるようにしたい」

 ■55kg級3位・大井喜一(千葉・日体大柏高)「今まで2回、国際大会に出て一回も勝っていない。初勝利ができて、メダルも持って帰れてホッとしています。負けたのは、ともにウズベキスタン選手で、今回も初戦でウズベキスタン選手に負けました。でも、敗者復活戦に回ることができて、踏ん張りました。海外の選手は最初の1分間ですごい攻撃をしてくるので、そこをしのぎ、後半に返すという目標ができました。今後は、国内でのグレコローマンの大会に全勝し、12月の全日本選手権に出ること目標にします」

 ■65kg級3位・大津虎白(山梨・甲府城西高)「メダルを取れてうれしいです。最後まであきらめずに闘ったことがよかったです。初戦、テクニカルスペリオリティで敗れ、落ち込んでしまいましたけど、表彰台に立つことが目標だったので、頑張りました。この銅メダルを機に、国内の大会で全勝し、また日本代表として国際大会に出て、メダルを取りたい」

▲メダル獲得選手。左から山本樹稀也(山梨・甲府城西高)、大井喜一(千葉・日体大柏高)、大津虎白(山梨・甲府城西高)