(2025年6月19~22日、東京・東京体育館)
【77kg級/決勝・プレーオフ】
《世界選手権代表決定プレーオフ》
日下尚(マルハン北日本カンパニー)○[4-1]●櫻庭功大(自衛隊)
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《決 勝》
日下尚(マルハン北日本カンパニー)○[5-1]●櫻庭功大(自衛隊)
■日下尚(マルハン北日本カンパニー=決勝・プレーオフともパリ・オリンピック代表を争った櫻庭功大に連勝して世界選手権へ)「櫻庭選手は強かったです。自分のグラウンドとか、ちゃんと対策していた。でも自分の(相撲をベースにした)前に出るレスリングは絶対に対策されない。対策されたとしても、それを上回れる自信がある。でも、決勝も第2ピリオドになると、思ったよりばてました。手がパンパンになるのは試合のときだけ。練習ではスパーリングを3~4本やっても絶対こういうふうにはならない。
実は5月末、フィジカルトレーニングをやっているときにギックリ腰をやってしまい、初めて担架で運ばれました。1週間寝たきりで、そのあと1週間も全くレスリングができなかった。だからかなり急ピッチでコンディションを整えたけど、今日はぎっくり腰を感じさせない動きができたんじゃないかと思います。やっぱり、(地元香川のソウルフード)うどんパワーですね。昨日から2日連続うどんを食べて、コシをチャージしました」
【82kg級/決勝】
吉田泰造(日体大)○[11-6]●掛川零恩(早大)
■82kg級・吉田泰造(日体大=決勝で掛川零恩との接戦を際し、昨年に続く世界選手権へ)「今回は終始、攻めづらかった。自分のレスリングが防御されているな、という感じでした。グレコローマンは、差して押すというのがセオリーだけど、決勝では差したところで止められ、その先の技が出なかった。一時はリードされ、ヤバいと思っていたけど、『逆転できる』という謎の自信はありました。
練習では、きついところから展開を作るような練習を毎日やっている。そこは練習通りにできたと思います。去年のアジア選手権で優勝してから、海外の選手にも対策されていることを感じている。具体的にいうと、圧力を止められたり、差したところからの展開を防がれたり…。でも、グレコローマンは差してからが勝負だけど、差しだけだと点は取れないので、そこからの攻め方をいろいろ学んでいきたい」
【87kg級/決勝】
阪部創(自衛隊)○[VSU、2:18=9-0]●藤井達哉(滋賀県スポーツ協会)
■87kg級・阪部創(自衛隊=ノルディック方式の予選リーグで藤井達也に敗れながら、決勝で再戦して勝利)「予選リーグで負けたことが響いてプレーオフでは動きが固かった。気持ちは切り替えられたんですけど、もっと自分から前に出て、相手を動かさなければならないのに、自分の足が止まってしまった。(予選で)投げられて負けていたので、慎重にいきすぎてしまいました。
体の使い方を重点的に取り組んでいて、少しずつ手応えをつかんできている。パリ・オリンピックの予選に行かせていただいたのに、アジア予選と世界予選と、いずれもふがいない形で負けてしまった。そこから(体の使い方を)少し見直している。(世界選手権まで)もう少し時間があるので、自分のレスリング力や(体の)使い方を強化して、自分がどれくらいできるのかを試したい」
【97kg級/決勝】
仲里優力(松尾建設)○[4-0]●鶴田峻大(自衛隊)
■97kg級・仲里優力(松尾建設=地元・佐賀での国民スポーツ大会が終わっても活動を継続、全日本選手権に続いて優勝)「ダメです。全然ダメです。(決勝の相手の)鶴田さんは世界でも勝てる選手。鶴田さんのミスのおこぼれをもらって勝ったようなもの。自分から展開し、自分でポイントを取った、と言えるような試合をしないとならない。ただ、これまでの大会で全試合無失点はなかったと思いますので、その点(全試合無失点で)はよかったです。
(3月のアジア選手権2位で)けっこうやれる、という気持ちになりました。おごらず、もっと上を目指そうという気持ちです。世界選手権では、大きく『優勝したい』と言いたいですけど、まずはメダルにからみたい。(4月からの所属の松尾建設は)活動をサポートしてくださる九州で一番大きいゼネコン会社です。優勝できて、いい報告ができます」
【130kg級/決勝】
奈良勇太(警視庁)○[3-1]●奥村総太(自衛隊)
■130kg級・奈良勇太(警視庁=大会タイとなる8度目の優勝。130kg級で初の世界選手権へ)「これから世界選手権に臨むんですけど、このままでは初日で終わってしまう結果になると思うので、体力面も、コンディショニングも、突き詰めていきたい。(今年12月の)天皇杯が来年のアジア大会の予選にもなるので、そこに向けてしっかりとやっていきたいと思います。
今年、ランキング大会(ムハメト・マロ国際大会)とアジア選手権の2つの国際大会に行かせてもらって、キルギス、トルコ、中国、ジョージアと試合ができて、130kgの世界で通用する部分と、壁になる部分がしっかり把握できました。相手の情報を取りつつ、得意な技を把握していれば対応できると思う。情報収集を怠らずに、体はまだ大きくできる余地があるので、そっちの方のトレーニングを積んでいきたい」