(2025年6月19~22日、東京・東京体育館)
《男子グレコローマン》
【55kg級/決勝・プレーオフ】
《世界選手権代表決定プレーオフ》
尾西大河(早大)○[不戦勝=負傷]●山際航平(フレアス)
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《決 勝》
尾西大河(早大)○[7-1]●高橋三四郎(サントリー)
■尾西大河(早大=2年ぶり2度目の優勝。2年ぶりにシニアの世界選手権へ)「去年は思ったような成績を残すことができなかった。結局、一回も全国大会のタイトルを取れず、苦しみました。(今回の優勝で)この1年間が無駄ではないことを証明できて本当によかった。(女子59kg級の妹・尾西桜も優勝し)兄妹での世界選手権出場は父親の夢で、それをかなえらました。
今年の世界選手権とU23世界選手権に出て、レスリングは引退する予定です。早大に入ったのは、レスリング以外の視野を広げたいという思いもあったからです。文武両道というか、勉強も頑張って部活も頑張る、ただレスリングだけをやっている学生にはなりたくなかった。レスリングを含め大学で培ってきたものを、社会人としていかしていきたい」
【60kg級/決勝】
稲葉海人(滋賀県スポーツ協会)○[5-2]●塩谷優(自衛隊)
■稲葉海人(滋賀県スポーツ協会=決勝で塩谷優を5-2で撃破。初の世界選手権へ)「決勝は少し硬くなった部分もあったけど、グラウンドはイメージ通りで、カウンターでひとつ返すということを意識してできたのでよかったと思います。ただ、レッグファール(脚を使った反則)を取られてしまった。あの場面で決め切る力がないと、やっぱり世界チャンピオンには絶対なれないので反省しています。
この階級は太田忍先輩、文田健一郎先輩、さかのぼれば、笹本睦コーチや松本隆太郎コーチ(育英大・現男子監督)といった自分が憧れていた先輩方が作ってきた階級なので、その階級の代表として、絶対に恥じない世界チャンピオンになりたい。今回も、試合前には減量期間であっても直前まで健一郎先輩に試合形式でスパーリングをやってもらったりしていました。僕自身、健一郎先輩は超えなければいけない存在だし、僕以外は絶対に倒すことはできないと思う。自分がもっと上のレベルに上がっていって、ロサンゼルス・オリンピックの予選では健一郎先輩のライバルとなり、僕が破って金メダル取りたい」
【63kg級/決勝】
中村真翔(育英大)○[VSU、1:53=12-2]●鈴木絢大(レスター)
■中村真翔(育英大=アジア選手権2位などの実績の選手に勝って初優勝)「監督から『決勝なんだし、思い切ってやるように』と言われ、その通りにやって、自分のいいところが出た。素直にうれしです。(実績では相手が上で)合宿で練習したときは、全然歯が立たなかった。その分、思い切ってできたのかもしれません。投げ技でくることは分かっていたので、研究して自分のポイントにつなげることを考えていました。うまく決まってよかった。
(父・吉元さんは48kg級で全日本王者になったあと、階級区分変更で同級がなくなり世界選手権に出られなかった不運の選手)父からずっと指導してもらっていた。父の出られなかった世界選手権に出られるのは恩返しになると思います。プレッシャーをかけられることはなかったけど、『自分の見ることができなかった景色を見てほしい』ということは、よく言っていました。(8月の)U20世界選手権で力試しをして、シニアの世界選手権に臨みます」
【67kg級/決勝・プレーオフ】
《世界選手権代表決定プレーオフ》
曽我部京太郎(ALSOK)○[VSU、5:50=9-0]●遠藤功章(東和エンジニアリング)
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《決 勝》
曽我部京太郎(ALSOK)○[4-0]●遠藤功章(東和エンジニアリング)
■67kg級・曽我部京太郎(ALSOK=パリ代表をめぐって激戦を展開した遠藤功章に2連勝)「前に出て、崩しも入れながらの練習をやってきました。いつも通りを出せたかな、と思います。(遠藤には)パリ予選は自分が勝ちましたが、そのあとも負けない、という気持ちでやってきたので、勝ててよかったです。パリでの成績(2回戦敗退)は、今でも悔しさがなくなりません。先輩2人(文田健一郎、日下尚)は、やるべきことをやって金メダル、自分はやるべきことができていなかったと思う。
(オリンピック後の秋にはクロアチアでの合宿に参加するなど、いち早くスタートしたが)気分転換という意味もありました。心のリフレッシュもしないとなりませんでしたので。2度目の世界選手権は油断せず、ペットボトルが飛んできたら(注=2023年大会は相手陣営からの不法なペットボトルの投入で攻勢を壊された)、キャッチするくらいの余裕をもって挑みたい(笑)」
【72kg級/決勝・プレーオフ】
《世界選手権代表決定プレーオフ》
成國大志(筒井メディカルグループ)○[VSU、1:47=9-0]●本名一晟(育英大)
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《決 勝》
成國大志(筒井メディカルグループ)○[VSU、2:15=9-0]●北條良真(自衛隊)
■72kg級・成國大志(筒井メディカルグループ=グレコローマンに方向転換して2年半で世界選手権へ)「やっと、というか…(笑)。国民スポーツ大会では優勝しましたけど、この大会での優勝は違います。(本名一晟とのプレーオフは)気持ちで勝ちました。練習では1点も取れないくらいの相手ですが、減量しての試合では違うことをあらためて感じました。
去年12月の全日本選手権(63kg級)が勝負だったのですが、負けて(5位)、これが限界か、という気持ちにもなりました。負けてもサポートしてくれる人がいたので頑張ることができました。階級を上げてタイトルを取れて、まだ強くなれる、という気持ちです。(東京・文化学園大附高の監督として)春夏連覇できずに喪失感がありましたけど、選手は前を向いていた。いい選手に恵まれ、頑張れました」