2025年世界選手権(9月、クロアチア)の代表選考を兼ねた2025年明治杯全日本選抜選手権は、6月19日(木)~22日(日)に東京体育館で行われる。昨年12月の天皇杯全日本選手権の優勝選手が勝てば世界選手権の代表に決定、別の選手が勝てば、両選手によって当日、プレーオフが行われ、勝者が代表となる。各階級の見どころをさぐった。《大会日程》
※エントリーに基づいた予想であり、直前の負傷等による戦力ダウンは勘案しておりません。
パリ・オリンピック代表の石黒隼士(自衛隊)が、約10ヶ月半ぶりに復帰する。世界選手権に出場するには本戦、プレーオフと勝ち抜かねばならない。厳しい闘いを突破できるか。
昨年、全日本選抜選手権、国民スポーツ大会、全日本選手権と優勝を重ねた白井達也(Team SSP)は、いずれも石黒がいない大会での優勝。石黒を破っての優勝を果たし、実力を見せつけたい。3月のアジア選手権(ヨルダン)でも2年連続銅メダルを獲得しており、今度は世界の舞台へ飛び出したい。
白井の3大会連続優勝の決勝の相手は、すべて髙橋夢大(三恵海運)。内容は0-3、1-2、0-3で、大きな差があるわけではない。わずかの差を乗り越えられるか。U23世界選手権3位など世界で通じる実力をつけつつあるだけに、国内の闘いを突破しなければなるまい。
全日本学生選手権2位、U20世界選手権5位など成長途上の淺野稜悟(中大)が、上位3選手の争いに割って入れるか。今年もU20世界選手権の出場を決めており、弾みとなるような内容・結果が望まれる。
ここに階級ダウンの強豪2選手が参戦する。一人は、昨年の92kg級学生二冠王者(全日本学生選手権、全日本大学選手権)の三浦哲史(自衛隊)。3月のU23全日本選手権は86kg級で闘い2位。“試運転”は終えている。もう一人は92kg級で全日本選手権3位の二ノ宮寛斗(不二精機)。97kg級や92kg級でコンスタントに全日本上位に顔を出しており、今大会で新たな階級へ挑む。
【2024年全日本選手権ファイナル成績】
▼決勝
白井達也(佐賀県スポーツ協会)○[3-0]●髙橋夢大(三恵海運)
▼3位決定戦
高谷惣亮(拓大職)○[VSU、1:10=11-0]●吉田真聖(HAKOBEE SPORTS FUKUI)
五十嵐文彌(山梨学院大)○[VSU、1:17=10-0]●増田大将(山梨学院大)
《明治杯全日本選抜選手権・歴代優勝選手》=レスリング・スピリッツ調べ
男子フリースタイル / 男子グレコローマン / 女子
※パリ・オリンピック代表、昨年12月の天皇杯全日本選手権のこの階級の3位以内の選手以外はアイウエオ順
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《2024年パリ・オリンピック代表》 石黒隼士(いしぐろ・はやと=自衛隊) 1999年8月23日生まれ、25歳。東京都出身。埼玉・花咲徳栄高~日大卒。2023年全日本選手権優勝《主な成績》 |
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《2024年全日本選手権優勝》 白井達也(しらい・たつや=Team SSP) 2000年7月16日生まれ、24歳。大阪府出身。千葉・日体大柏高~日体大卒。2024年国民スポーツ大会優勝《主な成績》 |
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《2024年全日本選手権2位》 髙橋夢大(たかはし・ゆうだい=三恵海運) 2001年11月30日生まれ、23歳。静岡県出身。京都・網野高~日体大 卒。2024年U23世界選手権3位《主な成績》 |
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淺野稜悟(あさの・りょうご=中大) 2005年11月6日生まれ、19歳。神奈川県出身。静岡・飛龍高卒。2024年JOC杯全日本ジュニア選手権U20-86kg級優勝《主な成績》 |
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二ノ宮寛斗(にのみや・ひろと=不二精機) 1998年1月23日生まれ、27歳。岐阜県出身。岐阜・岐南工高~明大卒。2024全日本社会人選手権97kg級2位《主な成績》 |
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三浦哲史(みうら・さとし=自衛隊) 2002年12月24日生まれ、21歳。京都府出身。京都・網野高卒。2024年全日本大学選手権優勝《主な成績》 |
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吉田真聖(よしだ・まさきよ=HAKOBEE SPORTS FUKUI) 1996年4月17日生まれ、29歳。福井県出身。福井・足羽高卒。2024全日本社会人選手権2位《主な成績》 |