2025.05.30NEW

“水車落とし”の世界王者サルマン・ハシコミフ(ロシア)が死去

 ロシア・レスリング協会のウェブサイトほかが報じたところによると、世界選手権4度優勝、のちに日本のプロレス界で活躍したサルマン・ハシコミフ(ソ連=現ロシア)が5月28日、心臓疾患のため死去した。73歳。亡くなる4日前まで普通に仕事をしていたが、モスクワへ行った際に体調を崩して入院。そのまま不帰の人となったという。

▲現役時代のサルマン・ハシミコフ=ロシア協会ウェブサイトより

 現在のカザフスタンで生まれ、ソ連・ロシアの中で強豪が多く生まれているチェチェン共和国で鍛えた同選手は、1979・81~83年の世界選手権フリースタイル100kg以上級を4度制した。ソ連が不参加だった1984年ロサンゼルス・オリンピックの同級王者ブルース・バウムガードナー(米国=現米国協会会長)とは5戦全勝だったという。

 1989年には、ソ連のペレストロイカ(ソ連の経済と政治の体制改革)によって新日本プロレスのリングへ。ソ連のプロレス進出として話題になった。レスリングの試合でも実力差のある場合にときたま見られる“水車落とし”(相手を抱え上げて自分の体とともに後方へ落とす)を武器に暴れ、同年5月にIWGPヘビー級王者になった。