オリンピック専門サイト「inside the games」は、ロシア・レスリング協会のミハイル・マミアシビリ会長が今年7月、「平和のための闘争」を掲げて男子フリースタイルによるロシアと米国の対抗戦の開催を提案していることを報じた。開催場所はウズベキスタンが第1候補で、カザフスタンとアゼルバイジャンも候補に挙がっているという。
同会長は「暫定的なスローガンは『平和のための闘い』です。もしこのイベントが実現すれば、非常に象徴的な意味を持つでしょう」とコメント。
「政治的な理由ではなく、純粋な(レスリングの)闘い」「レスリングはウズベキスタンの国技であり、深い伝統と友好関係を誇っている。我々の間には何の障害もなく、彼らも開催に前向きだ」「(世界選手権の)国内予選を考慮すると、7月下旬は誰にとっても都合が良い。ボクシングとレスリングの団体戦は常に素晴らしいイベントだ。ソ連時代から、このような団体戦は多くの観客を集めてきた。相当な賞金が見込まれる」とも話している。
一方、米国のスポーツサイトは、米国レスリング協会のリッチ・ベンダー専務理事の「まだ合意には至っていない」とのコメントを報じた。ただ、「世界選手権やオリンピックで対戦することになる選手たちが、その前に顔を合わせるいい機会になると考えています。レスリングにとっても、我々のチームにとてもいいことです」と前向きの発言もしている。
米国とロシアは、2013年にレスリングがオリンピック競技から除外される危機に面したとき、「レスリングは世界をつなぐスポーツ」をアピールするため、ニューヨークで米国と敵対関係にあったイランを含めた3ヶ国で対抗戦を開催している(米ロ戦は男女3スタイルで行われた)。
ロシアは現在、国際大会に「ロシア」ではなく、世界レスリング連盟(UWW)の所属選手として出場しているものの、UWWに絡まない試合なら「ロシア」で闘える。一方、今年2月にカザフスタンで行われたロシアのプロ・リーグ大会にカイル・スナイダー(米国)が出場。米国はロシア選手との試合を制限していないが、対抗戦となると、どうか。
実現すれば12年ぶりとなる米国とロシアの対抗戦は、日の目を見るか。