2025.05.03NEW

2023年世界王者のステバン・ミチッチ(米国~セルビア)が早大でレスリング教室を開講

(取材・撮影=保高幸子) 《写真集》

 2023年年世界選手権の男子フリースタイル57kg級優勝のステバン・ミチッチ(米国~セルビア)が4月29日、早大レスリング場でレスリング教室を開催。キッズ選手から大学選手が世界王者の技術を学んだ。

▲2023年世界王者ステバン・ミチッチ(セルビア)のレスリング教室に参加した選手

 同選手は、攻撃に移りやすい距離の取り方、片足タックルのアタックに入る姿勢のコツ、一度取りこぼした際の次の攻撃への移り方、組み手のコツ、ディフェンスの際の体のポジションなどを2時間に渡り伝授した。「日本のレスリングはすごく合理的だと思う。日本選手と試合する時は、アメリカやヨーロッパの選手よりもやりづらさを感じる。僕のレスリングスタイルは日本選手に似た動きが多いと思うから、覚えやすいんじゃないかなと思う」と話した。

 ディフェンスに関しては、「(自分は)すらっとしたタイプなので足を取られやすく、攻撃の練習の2倍の時間、努力した」と話し、足を取られた時の対処として自身が編み出したディフェンス方法を披露。また「大学生以上になった時に何が自分を強くし弱くするのか、どんなレスリングを理想とするかを考え、それを継続するメンタルを持つことが重要です。自分の強みに沿ったコーチングをしてくれる指導者の存在も重要」と、技術以外の部分も教授した。

 世界を制した技術を習ったキッズレスラーは、「今まで習ったことのない技を知れて参加して良かった」と満足顔だった。

▲片脚タックルの指導

 同選手はセルビア系移民として米国で生まれ、ミシガン大時代に全米大学(NCAA)選手権準優勝などの成績。2018年から父の国籍のセルビアを選択して国際舞台へ。2019年世界選手権5位を経て2021年東京オリンピックに出場。2022年世界選手権で3位となり、2023年世界選手権は決勝で前年61kg級優勝の樋口黎選手を破り、世界王者へ輝いた。

 2024年パリ・オリンピックは第1シードとして出場予定だったが、直前の負傷で出場を断念。今年は、大会出場は休み、完治後、2028年ロサンゼルス・オリンピックを目指す。

▲バイリンガルの通訳(ズート麟=早大4年)のもとでていねいな指導を展開

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

早稲田大学レスリング部【公式】(@waseda_wrestling)がシェアした投稿