オリンピックでの「男子12階級、女子6階級」が続くか-。2028年ロサンゼルス・オリンピックの実施種目の決定が大詰めに来ているもよう。早ければ4月9日にスイス・ローザンヌで行われる国際オリンピック委員会(IOC)の理事会で決まりそうだ。
AP通信が報じたところによると、国際サッカー連盟(FIFA)は、IOCが各競技に求めている男女同選手数を実現するため、パリでの「男子16チーム、女子12チーム」を逆転し、「男子12チーム、女子16チーム」とする案をIOCに提出した。
FIFAはIOCの男女平等の理念を受け、ロサンゼルス大会では男女各16チームを要望していた。その場合、4チーム分の人数が増加するため、IOCと合意した選手割り当て数を超えてしまう。そのため、女子サッカーの地位向上の意味も含めて、男子を4チーム削減し、女子を4チーム増加させるという。
単純に考えるなら、これでは選手数が男女イコールにはならない。1チームあたりの登録選手数を男女で違わせている可能性は考えられるが、各14チームにしない理由とともに詳細は報じられていない。ただ、男女同数を目指す調整が行われていることは推測される。
レスリングはパリ大会に「男子192選手・女子96選手」が参加し、女子の割合が最も低い競技だった。何らかの是正勧告がなされている可能性はあるが、情報は一切流れていない。
男子両スタイルがパリ大会と同じ階級数・選手数で実施される可能性があるとすれば、パリ大会と同じくアーティスティックスイミング(シンクロ=団体で2人までの男子選手が出場できることになったが、義務ではなく、パリ大会はすべて女子選手だった)と新体操が“女子の領域”を守ることと引き換えになる場合と考えられる。
パリ大会で男女格差のあった競技は下記の通り。全体としては初の男女同選手数の大会だった。
■水泳=男子648選手・女子722選手(男子23競技・女子25競技・混合1競技)
→水球が男子132選手・女子110選手、アーティスティックスイミングが女子96選手(男子の参加も可)
■サッカー=男子288選手・女子216選手(各1種目)
■体操=男子112選手・女子206選手(各9種目)
→新体操が女子のみ94選手
■レスリング=男子192選手・女子96選手(男子12種目・女子6種目)
IOC理事会は9日(水)午前 10 時(日本時間午後5時)から行われる。この理事会で2028年ロサンゼルス大会の実施種目・選手数が「決定される」というアナウンスや報道はないが、その可能性もあるため、注視したい。