2025.04.03NEW

大阪体育大学・湯元健一監督がスタート、“金メダル製造工場”の全面支援を受けて大学王者を目指す

 日体大でコーチを務めていた2008年北京オリンピック銀メダリストの湯元健一氏が4月1日、大阪体育大学(大体大)の職員に転職し、レスリング部の監督として新たなスタートを切った。

 1日に辞令を受け、2日に初めて同チームの練習を指導。同大学レスリング部のOBで、昨年のパリ・オリンピックで所属2選手が金メダルを取った三恵海運の髙田肇相談役(前社長)がレスリング場を訪れて激励するとともに、全面的支援を明言。力強いサポートを受け、大学王者奪取の闘いが始まった。

▲OBの三恵海運・髙田肇相談役(中央)ほか同社のレスリング班スタッフが激励に訪れ、湯元健一監督の初日がスタート

 湯元監督は、昨年末に大体大の監督に内定したものの、3月23日のU23全日本選手権(東京・ドーム立川立飛)で日体大コーチとして選手のセコンドにつき、最後まで自分の責任をまっとうして大阪へ来た。大体大の練習に接するのはこの日が初めて。今後、各選手のレベルや特徴を見たうえで、それに合わせた指導をすることになる。

 「ドキドキと、ワクワクの入り交じった気持ちでレスリング場に来ました。選手にオリンピック出場の夢を持ってもらい、それをかなえさせるために来た、という自覚を持って取り組みたいと思います」と初日の感想。

▲同チームの練習は中学生から大学生合同が基本。若い世代への指導も行う

全日本コーチも継続し、最先端の技術をチームに持ち帰る

 練習参加は初めてになるが、教えることになる選手の試合動画は見ていたので、行うべき指導内容は考えていたと言う。また、2016・17年の2年間、日本文理大のコーチとして西日本のレスリングに接しており、西日本のチームのおおまかなレベルは知っている。

 技術やレスリングにかける思いは、東日本の大学の選手と「変わらない」と言う。違うのは、目標の場所。日体大の選手が世界を見据えているのに対し、西日本でそこまで高い目標を定め、それを目指している選手は少ない。

 もちろん、いきなり「高い目標を持て」と言っても、夢として思うことはできても現実問題の目標とするには難しい。まず、昨年秋季の西日本リーグ戦で7位となり、かろうじて二部リーグ転落を免れたチームを立て直し、一部に残留してベース作りをすることが今年の自身の目標。

▲初日から熱の入った指導を展開

 チームに上を目指す雰囲気を徐々につくっていくことで目標が高くなるのであり、長期的な視野に立っての強化を目指すことになる。昨年のインターハイで、1・2年生中心のメンバーで2位となった大体大浪商高校の躍進も心強い限りだ。

 2028年ロサンゼルス・オリンピックへ向けて、全日本チームの強化コーチとなっているので、全日本合宿の最中はチームを空けることになる。日々変化している最先端の技術を知って所属に持ち帰ることが必要であり、チームの強化になると思うからだ。その間は、監督の座を惜しげもなく譲ってくれた姫路文博GMや、高校の西尾直之監督にカバーしてもらう予定。「多くの人の協力が期待できる体制でしたので、(監督就任の)お話を受けさせてもらいました」と言う。

▲湯元健一監督(右端)の角出に三恵海運レスリング班スタッフが総出で祝福

▲三恵海運・髙田琴恵社長から就任祝いの花束贈呈

「すばらしい体制ができた」…OBの三恵海運・髙田肇相談役

 当面の目標となる西日本は、現在、周南公立大の天下(リーグ戦で7季連続優勝を継続中)。同大学の守田泰弘コーチは大学の3年後輩だが、大学院では同期ということで親しみのある後輩だ。「しっかりとチームを作り上げていますよね。尊敬しています。徐々に差を詰めていきたい」と、今は追いかける立場であることを強調。九州共立大の藤山慎平監督は日体大の同期生であり、切磋琢磨すべき元チームメートがいることも発奮材料だ。

 湯元監督のスタートを見学した三恵海運の髙田相談役は「すばらしい体制ができた。ウチのレスリング部の選手(吉田ケイワン、髙橋夢大、吉田アミン)も積極的に派遣するので、頑張ってほしい」と選手を激励。帯同した同大学OBで1984年ロサンゼルス・オリンピック代表の石森宏一さんを紹介し、「積極的に出げいこに行っていた」と話し、努力することとの重要性を伝えた。

▲三恵海運レスリング班と大体大レスリング部のスタッフ

▲髙田相談役は同大学の女子バスケットボール部も支援。金メダル報告会に来場してくれたお礼を兼ねて同チームを激励する吉田ケイワン選手

▲女子バスケットボール部と髙田肇相談役。レスリング部とどちらが先に日本一となるか

▲髙田肇相談役は、最後に浪商学園の野田賢治理事長、大体大の神﨑浩学長らと面会。大学の発展を望む気持ちを伝えた