2025.03.25

ペンシルベニア州立大が4年連続13度目の優勝、カーター・スタロッチがV5…2025年NCAA選手権

 2025年全米学生(NCAA)選手権は3月20~22日、ペンシルベニア州フィラデルフィアで行われ、ペンシルベニア州立大が2階級制覇ながら、2位のネブラスカ大(117点)を大きく引き離す177点をマークし、4年連続13度目の優勝を達成した。

 昨年の172.5点を上回る史上最高の得点で、カエル・サンダーソン監督としては11度目の優勝。10選手が「オールアメリカ」と呼ばれる6位以上に入り、これも初の快挙。3位は102.5点のオクラホマ州立大が入った。

▲超満員の観客の中で行われた2025年NCAA選手権=提供・樋口黎選手(米国にコーチで留学中)

 184ポンド級(83.5kg級)に出場したのカーター・スタロッチが大会史上初めて5度目のタイトルを獲得した。米国の大学は、日本と同じで4シーズンのみ試合に出場できる。しかし、2020年冬に起こったパンデミック(新型コロナウィルス蔓延)のため同年3月の大会が中止。このため、この年に在学していた選手は特別措置によって活動できるシーズンが1年追加された。

 スタロッチは昨年まで、すべて174ポンド級(78.9kg級)で4年連続優勝を達成。アーロン・ブルックス(197ポンド級=89.4kg級)とともに史上6、7人目のNCAA4度優勝選手となった。今年、特別措置の恩恵を受けて5度目のシーズンに出場して優勝を目指し、実現した。

 優勝したペンシルベニア州立大は、1924年パリ・オリンピックで日本レスリング界初のメダルを獲得した内藤克俊選手が主将を務めた大学。1980年代には日体大OBの大石八郎さんがコーチとして在籍。1996年NCAA選手権では阿部三子郎選手(東京・京北高卒)が126ポンド級(57.2kg級)で日本人としてのべ7人目の優勝を達成した。

 同大学にはこれまで日本協会の高田裕司・元日本協会専務理事、専大の佐藤満部長、自衛隊の米満達弘コーチがコーチ留学している。

 2021年東京オリンピックの金メダリスト、ゲーブル・スティーブソン(ミネソタ大)の復帰参戦で注目された285ポンド級(129.27kg級)は、2023年のU23世界選手権優勝のワイアット・ヘンドリクソン(オクラホマ州立大)が決勝でスティーブソンを5-4で破って優勝した。スティーブソンもパンデミックによる特別措置で5度目のシーズンを迎えていたが、3度目の優勝はならなかった。