編集長=樋口郁夫
3月20日、新しいメンバーでスタートした世界レスリング連盟(UWW)のメディア・コミッションのオンライン会議が行われ、同コミッションのメンバーとして出席しました。会議の内容を報告します。
UWWメディア・コミッションは、2013年の国際オリンピック委員会(IOC)理事会によるレスリングの除外騒動のあと(その後の総会によって存続が決定)、メディア対策がないがしろにされていた反省をもとに設立されました。
今回の会議は、新しいメンバーの顔合わせ的な意味がありましたが、「メディアを大切にし、レスリングをより多く報道してもらうことによって、レスリングのメジャー化を目指す」ことが確認されました。そのため、UWWは引き続き、公式ウェブサイトを通じて多くの情報を各国へ伝達することを目指します。
「主要大会の前にはプレビューによって大会を盛り上げる」とし、アジア選手権(3月25~30日、ヨルダン)の展望が間もなくウェブサイトに掲載されることが報告されました。
各国協会に対し、選手にメディアとの関係の重要性を認識させ、レスリングがメディアに多く取り上げてもらうよう努力してほしい旨の要望が出ました。
全世界からの情報提供を待つことも強調し、スター選手だけでなく、将来の有望な選手の指摘を歓迎するとのこと。具体的な例として、2月末にアルバニアで行われたUWWランキング大会の男子フリースタイル61kg級で優勝した須田宝選手(山梨学院大)の名前を挙げ、「素晴らしい選手だったが、だれも知らない選手だった。こうした隠れた強豪選手をUWWに伝えてほしい」との要望が上がりました。
私は、UWW公式ウェブサイトによるほぼ毎日の情報発信に感謝する一方、「日本人にとって英語でのサイトは大きな壁であり、日本からのアクセスは少ないと思います」との推測を伝えました。
最近は翻訳サイトがすばらしいので、記事を読むときはそれを活用できるものの、英語のみの動画(ストーリー)では、何をアナウンスしているか理解できないので、「日本人はほとんど見ていないでしょう。その事情は、日本のみならず、ロシア、東欧、イラン、インド、中国など、レスリングが盛んで競技人口も多い国も同じだと思います」と指摘。
「動画に日本語の字幕をつけていただければ、多くの日本人がアクセスすると思います。経費はかかりますが、レスリングの広報という点で、ぜひご一考お願いします」と要望しました。