3月25日(火)からヨルダン・アンマンで開催される2025年アジア選手権に出場する男子グレコローマン・チームが3月21日、羽田空港発のトルコ航空で出発した。昨年はこのスタイルで3選手が優勝した。
小平清貴総監督(警視庁)は「今年初のチャンピオンシップ。日本は若返ったメンバーになったが、他の国も新しい選手が出てくると思う。今後に向けていい経験になる。自分がどのくらいの位置にいるか、しっかりと確認してほしい」と期待する。
例年、前年12月の全日本選手権の優勝選手に出場資格を与えていたが、けがのため辞退する選手がいたり、ベテラン選手がスルーしたりしていた。今回は男女の全階級で全日本チャンピオン。どの選手も新しいサイクルへ向けて「気持ちが高まっていると思います」と話した。
男子グレコローマンの松本隆太郎監督(育英大監督)は「まだオリンピック選手が(復帰して)始動していない国もあるが、そういう国は強豪若手が出てくる。ロサンゼルまでの闘いは始まっている。今回の選手がどのくらいできるのか。世界の情勢は昨年までと変わっているので、しっかりと確認してほしい」と要望。
そのうえで、「ロサンゼルスまでにどんな強化が必要かを見極めてきたい」と言う。階級によっては世界選手権と遜色のないハイレベルな闘いも予想されるが、「そこで勝ち切れば、世界のメダルが見えてくる。経験を積む、ではなく、どん欲に勝利を目指してほしい」と要望した。
昨年、日本男子で最年少となる「17歳11ヶ月23日」で優勝した82kg級の吉田泰造(香川・高松北高)は「3月末までは高松北高校の選手。高校生でのアジア2連覇を目指したい。(当分)出ることのない記録になるでしょうから」ときっぱり。直前合宿にパリ・オリンピック金メダリストの日下尚選手が参加して練習の相手をしてくれ、スパーリングで4点技を取ったと言う。「気分はいいです」とにっこり。
高校の先輩でもある日下選手は、“兄貴”ともいうべき存在。出発前、「『優勝したら、プレゼント、お願いします』と伝えました」とか。“おねだり”の品物も伝えたそうで、日下選手がどう返事したかまでは明らかにしなかったが、記録樹立とともに大きな目標ができたようだ。
全日本選手権の63kg級決勝で昨年のアジア選手権銀メダリストに28秒で快勝し、初の国際大会として今大会に挑む三谷剛大(育英大)は「初めてなのでプレッシャーとかはないんです。やるだけ、という気持ちです」と言う。
これまで国際大会にまで目が行っていなかったのか、エントリーを見ても、だれがどのくらいの選手か分からないので、特に研究はなし。全日本王者になってから現在まで練習はしっかり積んできたので、「頑張ります」と必勝を誓った。
大会スケジュールと日本選手団は下記の通り。女子は23日(日)、男子フリースタイルは26日(水)に出発する。
【総監督】小平清貴(警視庁)
【男子グレコローマン監督】松本隆太郎(育英大)、【同コーチ】藤村義(自衛隊)
【女子監督】金浜良(サントリー)、【同コーチ】藤田雄大(自衛隊)
【男子フリースタイル監督】湯元進一(自衛隊)、【同コーチ】米満達弘(自衛隊)
【ドクター】矢野雄一郎(とちぎメディカルセンター)、【トレーナー】秋山未来(JSC業務委託)、太田暁央(自衛隊)、【栄養】野﨑久美(JSC業務委託)、【映像】田中慎也(JSC業務委託)、新井庸仁(JSC業務委託)
【帯同審判】本田原明(自衛隊)、増田莊史(香川・多度津高教)、古里愛里(茨城・東洋大附牛久高教)
3月25日(火)男子グレコローマン55・63・77・87・130kg級
26日(水)男子グレコローマン60・67・72・82・97kg級
27日(木)女子50・55・59・68・76kg級
28日(金)女子53・57・62・65・72kg級
29日(土)男子フリースタイル57・65・70・79・97kg級
30日(日)男子フリースタイル 61・74・86・92・125kg級
【男子グレコローマン】
▼55kg級 山際航平(日体大)
▼60kg級 稲葉海人(滋賀県スポーツ協会)
▼63kg級 三谷剛大(育英大)
▼67kg級 遠藤功章(東和エンジニアリング)
▼72kg級 本名一晟(育英大)
▼77kg級 櫻庭功大(自衛隊)
▼82kg級 吉田泰造(香川・高松北高)
▼87kg級 阪部 創(自衛隊)
▼97kg級 仲里優力(佐賀県スポーツ協会)
▼130kg級 奈良勇太(警視庁)
【女子】
▼50kg級 吉元玲美那(KeePer技研)
▼53kg級 清岡もえ(育英大)
▼55kg級 村山春菜(自衛隊)
▼57kg級 屶網さら(KeePer技研)
▼59kg級 尾西 桜(日体大)
▼62kg級 尾﨑野乃香(慶大)
▼65kg級 森川美和(ALSOK)
▼68kg級 石井亜海(育英大)
▼72kg級 古市雅子(自衛隊)
▼76kg級 山本和佳(至学館大)
【男子フリースタイル】
▼57kg級 坂本 輪(CWC)
▼61kg級 須田 宝(山梨学院大)
▼65kg級 田南部魁星(日体大)
▼70kg級 青柳善の輔(クリナップ)
▼74kg級 高田 煕(自衛隊)
▼79kg級 神谷龍之介(日体大)
▼86kg級 白井達也(佐賀県スポーツ協会)
▼92kg級 石黒峻士(MTX GOLDKIDS)
▼97kg級 吉田アラシ(日大)
▼125kg級 山本泰輝(自衛隊)