2025.03.13

【特集】国民スポーツ大会を控えて燃えるレスリングの街! 日野町少年少女大会・北岡秀王大会委員長に聞く

 3月8~9日に滋賀・日野町で行われた第10回「日野町少年少女大会」は、日野町70周年記念イベントとして、地元企業の多くが協賛し、町全体で熱い応援ムードがあったイベントとなった。行政や地元企業・住民の支援体制は、地方におけるレスリング振興のモデルケースと言ってもいい。北岡秀王・大会委員長(滋賀県レスリング協会強化委員長)に聞いた。(聞き手=成國晶子)

▲町をあげて盛り上げた2025年日野町少年少女大会=提供・滋賀県レスリング協会


--今大会は第10回の記念大会となります。10回目を迎えるにあたっての苦労とかあれば、教えてください。

北岡「地域にどうしたらレスリングが普及していくかと様々な活動をしてきましたが、どう地域に貢献できるか、というところに最も力を入れて取り組んできました。そこに尽力することで、行政や企業、地域のいろんな方々のサポートをしてもらうことができ、徐々にレスリングを地域が受け入れてくれたことで、レスリングの大会が地域の一つのイベントとなった、という感じはします」

--企業協賛がものすごく多いですね。町を挙げてレスリングに取り組む、という姿勢が感じられますが。

北岡「いろんなつながりで、いろんな企業さんに助けてもらっています。日野町も人口がどんどん減ってきて、田舎の一つの地域でだけでは(大会を運営するのは)難しいんです。その中での企業サポートです。この地域の子をどうにか盛り上げていきたい、スポーツをいろんな形で応援していきたい、として私たちを一生懸命に応援してくださいます。物品での協賛、現金での協賛、その企業によって応援の形は異なっていますが、子どもたちのために、スポーツの振興のために、というところで尽力していただいます」

▲多くの企業の協賛を得て開催している日野町少年少女大会

1回戦で負けても、外のブースで楽しんでもらえればいい

--旗があったりとか国民スポーツ大会みたいなイメージを作られていますね。会場の外の売店は、かなりにぎわっています。そういう協力は、とてもありがたいですよね。参加選手の数的にはどうでしょうか。

北岡「今大会は他の大会と重なってしまい、参加者数は昨年よりも少し減っています。小学校4年生から高校生まで一つの会場で行われるのもいいかなと思い、今後も続けていきたいと思います。1回戦で負けて帰っちゃう子もいるので、外のブースで少しでも楽しんでもらえればいいと思います。地域おこしというか、どうやったら大会に魅力を持ってもらえるかを考えています」

--大会初日の開会式にはチアリーディングが披露されたり、野球選手が来たりとか、街全体でスポーツを奨励しているような感じがしました。

北岡「初日の文田健一郎選手(ミキハウス)のエキシビションマッチも、なかなかよかったと思っています。レスリングをテレビで見たことある人は多いんですけど、やっぱり生で見るのは魅力的で、なおかつトップ選手があえて闘ってくれるっていうところで、より魅力も感じてもらえたかな、と思います。チアリーダーズに来てもらったり、野球の社会人の女子チームが来てくれたりしましたが、少しでもレスリングに関わってもらいたいと思います。

 ふだんは、それぞれ別に活動しているわけですが、一緒になってやることによって、地域スポーツとして一つのムーブメントを起こせるのかな、と思います。ちょうどオリンピックでいい活躍してくれた人たちがいるので、今、ちょうどこの波に乗っていきたいな、という気持ちがあります」

▲2008年アジア選手権で3位に入賞した北岡秀王・大会実行委員長=撮影・矢吹建夫

地元国スポでキッズ選手が刺激をもらってほしい

--今年は滋賀で国民スポーツ大会があります(9月29日~10月2日、栗東市民体育館)。大会愛称は「わたSHIGA輝く国スポ」、スローガンは「湖国の感動 未来へつなぐ」ですね。

北岡「成年は、いろいろと協力してくれる選手がいます。少年は、地元出身の選手が育っているので、どれだけ力を発揮してくれるかな、という期待があります。大学や強豪高校の練習に参加させてもらい、少しずつ実力もつけてくれていることを感じます。高校生や成年の選手を見て、まだキッズ選手が少しでも刺激をもらってほしい」

--国民スポーツ大会での目標は?

北岡「成年は総合優勝です。少年も成年に負けないような成績を望みたい。3位入賞、そして優勝者を1人でも2人でも多く輩出できるようにしたい。あと半年くらいですけど、精いっぱいやる中で、やってよかったなと思えるような大会になればいいな、というふうに考えています」

--滋賀県は最近、全国高校グレコローマン選手権を開催していて、グレコローマンに力を入れていますね。

北岡「滋賀県出身の選手には、フリースタイルの選手もいるんですけれども、南敏文先生(日野高校・前監督)をはじめグレコローマンで活躍されてきた先生方が多いので、グレコローマンもあるんや、って感じでやってきました。中学生とか、小さい頃からグレコローマンになじめる環境というところも発信していければいいかな、と思っています」