2025.02.27

「リーグ戦のファイナルステージは、これまでにない盛り上がりを期待したい」…東日本学生連盟・吉本収会長

 東日本学生レスリング連盟は、2023・24年度の吉本収会長(神奈川大監督)の留任を決めた。

 同会長は、理事長時代からを通じて「女子学生委員長の誕生」「大会パンフレットのデジタル化」「リーグ戦での連合チーム結成」など新企画を次々と実行。2年前の会長就任にあたって、「前例がないからやらない、という姿勢は持たない」ときっぱり断言し、リーグ戦の改編を模索。今年5月の大会から実行する(関連記事)。2期目を迎える決意を聞いた。

▲2期目を迎える東日本学生連盟の吉本収会長。次はどんな改革を実行するか?


--会長の留任が決まった今のお気持ちからお願いします。

吉本 あと一期、2年で終わるつもりです。やるべきことを、やろう、という気持ちです。

--5月26~28日の東日本学生リーグ戦は、試合のシステムが変更されて行われる最初の大会です。リーグ戦に向けては、どんなお気持ちでしょうか?

吉本 ファイナルステージ(各ブロック1、2位の大学によるトーナメント戦)は、これまでにない盛り上がりを期待したいと思います。

--A・Bブロックの順位争いも、途中で1敗を喫してもファイナルステージに出るチャンスは残るので、選手のモチベーションは最後まで続き、応援も盛り上がるのではないでしょうか。

吉本 それはあると思います。リーグ戦の戦力は前年と今年とでは違います。まして今年からのシステムは、どこが優勝するか、まったく読めないと言えます。Aブロックの2位がBブロックの1位に勝つ場合もあるでしょう。新システムが勝敗の行方にどう作用していくのか、注目されます。

--昨年までの一部リーグ16大学、二部リーグ8大学を、各12大学にしたわけですが、このシステム変更はどうでしょうか。

吉本 昨年まで一部リーグで闘いながら、今年から二部リーグで闘う4大学(昨年の13~16位)と、これまで二部リーグだった大学とが、どんな闘いをするでしょうか。かみあった闘いになるのか、実力差がありすぎる闘いとなるのか。

▲新しいシステムで行われる東日本学生リーグ戦。どんな盛り上がりを見せるか=昨年の大会

財政基盤の確立とあとに続く人材の育成も重要課題

--全国中学選抜U15選手権では、決勝進出の選手を音楽に合わせて入場させるなど、盛り上げに尽力していることがうかがえます。その点ではいかがでしょうか。ファイナルステージくらいは、盛り上げてほしい。

吉本 音楽を流して大会を盛り上げるのは、金銭的にはさほどかからないと思います。問題は、音響を取り扱うスタッフをそろえられるか。試合は平日開催。音響に携われる学生委員が確保できるかです。エンターテインメントの要素を入れることも必要だと思います。検討事項としたい。

--理事会の前に、就職支援企業「株式会社スポーツフィールド」の境美里さん(旧姓宮内=2021年学連委員長)のプレゼンテーションがあり、「男女のある競技なのだから、男女のリーグ戦を」と提案されていました。確かに、男女混合チームでの闘いとした方が、時代の流れに合っているし、盛り上がるような気もします。今のリーグ戦に、女子を加えることは日程的に難しいことでしょうか。

吉本 夢や目標として論ずる必要のある議題だと思います。できる、できないは別問題。できない、と決めつけではいけない。ただ、女子をやっている大学が少なくなっている現状があります。女子が広がったかな、と思ったら、しぼんでしまったのが現実です。

--青山学院大なども、女子選手がいなくなりましたね。

吉本 パイ(選手数)が絶対的に少ないのは確かです。ほとんどの大学が、男女一緒の推薦枠の中で調整していて、その関係かもしれません。大学レスリング界での女子選手の数を増やさないと、論ずるところまで行かないと思います。

--吉本会長になってから、連盟として協賛企業集めに尽力されていますね。

吉本 日本レスリング協会の財政がひっ迫しており、補助金は期待できない状況なので、自分たちで集めないとなりません。幸い、多くの企業からの協賛をいただき、今年度は98万円の協賛金が集まりました。財政基盤を確立しないと、思った活動ができません。引き続きのご支援をお願いしたいと思います。

--そのほか、任期中にやりたいことは?

吉本 あとに続く人材の育成です。おそらくですが、私はこの2年間をこなして退きます。続くべき理事とは年齢が離れているので、しっかりと育ってもらい、それからバトンタッチしたいと思います。

--女性がいない理事会ですね…。

吉本 そうなんです。この問題も解決しないとなりません。財政と次期役員の育成が、私の任期中に取り組むべき課題だと思います。