2025.02.21NEW

千葉・市川コシティクラブの道場が改装、オリンピック金メダリストが参加してマット開き

▲市川コシティクラブのマット開き。三恵海運からプレゼントされたTシャツを着ての記念撮影

(文・撮影=保高幸子)

 イランでレスリングに親しみ、日本で生活するジャヴァド・エスファンジャーニ代表(以下ジャボ代表)が運営する千葉・市川コシティクラブが道場を改装。2月17日、パリ・オリンピック金メダリストの日下尚を含む三恵海運所属の選手も訪れた中、マット開きが行われた。

 同クラブは2012年からこの場所で活動している(関連記事)。このたび、三恵海運のバックアップにより、マットを新調し、スペースを12メートル四方に広げ、シャワールームやトイレなども新しくなった。子どもたちは「きれいになってうれしい」と口々に話し、恩返しのためにも「練習にさらに力が入りそうだ」(ジャボ代表)とのこと。

▲オリンピック金メダリストも駆けつけての改装オープン

 この日は市川コシティクラブの選手だけではなく、東京・ワセダクラブ(鈴木啓仁代表)の選手も練習に参加。日下と髙橋夢大の2選手は4人がかりで倒そうと頑張るキッズたちの相手をして汗を流した。ふだんの練習ではあまり積極的ではない選手もいるが、オリンピック金メダリストも来場しての晴れの日に、「この日は積極的に楽しんでいた」とジャボ代表夫人の吉田直美さん。

 また、イラン式身体鍛錬法であるズールハーネのチャンピオン、ハミッド・ベサリさんの演舞も行われた。ズールハーネで使用される器具である弓状のキャッバデやこん棒状のミール(注=当初は「コシティ」と呼ばれていたが、正式には「ミール」。コシティは伝統格闘技の名称)を使い、キッズたちを鼓舞した後、日下も子供達の前でキャッバデに挑戦した。

 マット練習でも日下が大活躍。キッズ達から次々と対戦要求が来るので、「4人ずつ来ていいよ!」と宣言。大喜びのキッズたちが果敢に攻めたが、日下は一度も倒されることなく、横綱さながらの貫禄を見せた。髙橋もそれにならって「1対4」の闘いを実践。汗だくになりながら全力で指導した。

▲“4人がかりの挑戦”を受けた日下尚。一度も倒されなかった

 ■ジャボ代表の話「道場をリニューアルできたことに、三恵海運の髙田肇社長さんに感謝したい。金メダリストの日下尚選手にも来ていただき、子どもたちと練習をしてもらって本当にありがたいことです。あこがれの選手と触れ合った経験は、子ども達にとって大きい。この子ども達の中から、必ずオリンピックで金メダルを取る選手が出てくると思う。

 クラブを立ち上げたきっかけは、日本に来てから、たくさんの人にお世話になったので、恩返しをしたかったからです。自分ができることは、レスリングだけだった。これからも感謝の気持ちを忘れず、キッズレスラーの育成に努力を注ぎたい」

▲市川コシティクラブのキッズ達から三恵海運社長・髙田肇氏への感謝の気持ちを表す寄せ書きをプレゼントされ、藤本健太監督が受け取った

▲髙橋夢大も4人からの挑戦を受けた

▲オーストラリア国籍を取得した下山田培(男子グレコローマン67kg級)も帰国(来日?)中で、特別参加

▲キャッバデに挑む日下尚、向こう側では藤本健太監督がミールでのトレーニングに挑戦

▲オリンピックの金メダルに感激するキッズ選手