ブルガリア・ソフィアで行われたU23の「ペトコ・シラコフ-イワン・イリエフ国際大会」に出場した学生選抜チームが2月18日、羽田空港着のルフトハンザ航空で帰国した。男女を合わせて「金10・銀1・銅4」を獲得し、日本の強さを見せた結果だった。
馬渕賢司チームリーダー(全日本学生連盟強化委員長)は「メダルをたくさん取れたことはいいこと」と、結果を評価。不可解な判定が横行していた面があり、納得できない形の黒星を喫した選手もいたそうだが、「海外では、ときにあること。それを経験させられたのはよかった」と話し、どんな判定のもとでも勝つために必要なものを学ばせられたことは貴重だったと振り返った。
パリ・オリンピックのあとのU20やU23の遠征では、日本に対するマークが違っていることは肌で感じており、今回も感じたこと。「それでも勝たなければならない。それを乗り越えられる実力を身につけてほしい」と話し、学生選抜チームの遠征の継続を望んだ。
松田健悟コーチ(青山学院大コーチ)も「審判の判定で『おや?』と思うことが多々あった」と話すが、「そうした中でも技をしっかりかけ、勝った選手がいたのはよかった」と振り返った。今回は日程の都合でU23の大会を選ばざるを得ない状況だったが、男子フリースタイルと女子は、このレベルのU23の大会では圧倒的に勝つ実力があることを感じたと言う。男子グレコローマンも「自分のスタイルを貫いた選手もいた。劣っているとは思わない。自信にしてほしい」と、今後に期待した。
■61kg級・向田旭登(専大)「2回目の国際大会で、初めて金メダルを取れてうれしいです。海外の選手に自分の技が通用することが分かり、収穫でした。タックルの処理が悪かったときがあったのが、反省点です。今年は、ひとつでも多くのタイトルを取れるようにしたい」
■70kg級・森田魁人(山梨学院大)「フリースタイルは全員がメダルを取っている中、自分も金メダルを取れて、ホッとしている、が今の気持ちです。自分の得意なタックルが通用する部分がありました。一方で、横着してしまってポイントを取られたことがあったので、こうした細かなことを直していきたい。去年の全日本選手権で、優勝した青柳善の輔先輩(クリナップ)に負けているので、今年の明治杯で勝てるように頑張りたい」
■79kg級・ガレダキ敬一(早大)「金メダルを取れるとは思っていなかったので、素直にうれしい。練習を頑張ってきたかいがありました。決勝で自分の思った通りのレスリングができず接戦になってしまったのは反省材料ですが、それ以外は自分のレスリングができました。次はJOCジュニアオリンピックで優勝し、U20世界選手権へ行くことが目標です」
■92kg級・増田大将(山梨学院大)「優勝はうれしいですが、外国選手との闘いは、ペースをつかむのが難しかった。そこをしっかり修正したい。(勝てたことで)日本のレベルが高いことを感じました。今年はU23世界選手権に出場して優勝することが目標です」
■97kg級・吉田アラシ(日大)「U23の大会であっても、国際大会の優勝はうれしいです。国内大会とは違う空気を、ランキング大会(今月末、アルバニア)とアジア選手権(3月末、ヨルダン)の前に味わうことができたことが、大きな収穫です。今年はまずアジア・チャンピオンを目指し、そのあと世界チャンピオンを目指したい」
■63kg級・丸山千恵蔵(日体大)「オリンピックの成績からでしょうけど、日本のレスリングがすごく注目されていることを感じました。大技を決めたときには、国を超えて大きな歓声があがり、楽しく、気合が入って闘えました。1回戦、2回戦でグラウンド技を決められず、習得仕切れていないことを感じました。目の前の課題をひとつずつクリアしていけば、おのずと結果がついてくると思うので、ひとつずつクリアしていきたい」
■50kg級・米原実穂(至学館大)「国内でも海外でも、優勝は初めてなんです。とてもうれしいです。3回戦で豪快に投げられて危ない試合をやってしまいましたが、立て直すことができたのはよかったです。4月から社会人です。環境が変わるので、新しい気持ちで、どの大会でも優勝を目指して頑張りたい」
■53kg級・岡田愛生(東洋大)「初めての国際大会でしたけど、優勝が目標でした。優勝できて、とてもうれしいです。自分から攻めるレスリングが目標。タックルはけっこう入れましたけど、焦ってしまう部分があったので、しっかり取り切ることを目標にしたい。次の大会はジュニアクイーンズカップ(U23)。優勝して、U23世界選手権でも優勝できるように頑張りたい」
■55kg級・中村成実(法大)「大学生活最後の大会で、優勝できてよかったです。グラウンドをもっと強化できればいいと思います。卒業後もレスリングを続ける予定で、ジュニアクイーンズカップ(U23)で優勝して世界へ行くことが次の目標です」
■65kg級・北出桃子(至学館大)「1試合だけでしたけど、全力で闘って自分のレスリングを貫こうと思いました。第1ピリオドは相手を見てしまい、相手の力に圧倒されて攻められなかったのですが、第2ピリオドで(テークダウンを)取れて自信がつき、グラウンド技も決められました。海外でグラウンド技を決められたのは初めてなので、成長したかな、と思います。国際大会で3大会連続優勝が目標だったので、よかったです。U23世界選手権と全日本選手権優勝が今年の目標です」