1972年にスタートした第1回ジュニアレスリング選手権に起源を持ち、「日本で最も長い歴史を持つ大会」である「少年少女選手権/新宿キッズレスリングトーナメント」が2月11日に東京・新宿ポーツセンターで行われた。
コロナ禍が明けた2023年に1都4県から「51クラブ434選手」、昨年は1都1府4県から「55クラブ519選手」が参加したのに対し、今回は大会開催の告知が少なかったためか、1都5県から「44クラブ400選手」に減少。大会の会長でもある中根和広・新宿レスリング協会会長は「多すぎても困るが、来年はしっかりと告知し、もう少し集めたい」と再浮上を誓い、「2月11日開催を続けています。来年も2月11日ですので、今から計画してください」と宣伝した。
同会長は、この大会が新生された1987年の第1回大会から運営に携わってきた思い入れ十分の大会。日本工大駒場高の教員を退職したあとも発展を見守ってきた。以前に比べると選手・保護者のマナーは格段に上がっており、昨年の大会後に口にしていた「世間から後ろ指を差されないスポーツへの道」は今大会でも感じたこと。
帯同審判のレベルが上がっていることも、セコンドの聞くに堪えない暴言の撲滅に役立っており、キッズ大会発祥のこの大会が「マナー遵守の手本になるようにしたい」と、引き続きの質の向上を望んだ。
昨年からの特徴のひとつは、男子4階級だけだが中学1年生の部を新設したこと。実行委員長として大会を切り盛りしている東京・SKキッズの吉澤昌代表は、中学へ進むと3学年一緒の試合となり、「1年生はなかなか勝てない。同じ学年の選手と闘う機会を与えたいと思った」と新設の動機を話す。まず1年生男子の全階級実施を目指し、将来は女子や、各学年の部の新設も視野に入れているという。
大会開催は、選手からの出場料だけではまかなえないのが実情。経費の削減はどの大会も大きな課題だが、同代表は「選手にとっては1大会ごとが思い出となる大会。きちんとした形で残してやりたい」と、ビジュアル面での質を下げないよう努力を続けている。デジタル・パンフレットへの移行が流れとなっている中でも紙のパンフレットにこだわり、IDカードのストラップも、レフェリー及び一部スタッフのみへの配布だが、記念品となるべきものを使っている。
新宿区は、日本レスリング発祥の地(1931年に同区にある早大でスタート)。山手線の内側で行われる数少ないキッズ大会。質の向上とともに、さらなる発展が望まれよう。
※当ウェブサイトでは、全国少年少女連盟がかかわっている、いないにかかわらず、大会要項等による大会の告知、試合結果の掲載をいたします。info@wrestling-spirits.jp まで情報をお寄せください。