世界レスリング連盟(UWW)は1月28日、欧州女子を代表する選手だった76kg級のエップ・マエ(エストニア)が現役引退を表明したことをホームページで発表した。
同選手は歴史の浅いエストニア女子の中で奮戦し、2016年リオデジャネイロ、2021年東京の2度のオリンピックに出場。メダル獲得はならなかったが、2021年世界選手権で銀メダルを獲得。2015・19・22年には銅メダルを取り、欧州選手権では「金1・銀2・銅1」を獲得。2024年パリ・オリンピック出場を目指したが、3度の予選を勝ち抜くことはできなかった。
父親がレスリング選手だったという同選手は「私が育ったエストニアには、女子レスリングのロールモデルがいませんでした。どこまでできるのか全く分かりませんでした。小国からトップに躍り出ることは、容易ではありません。国内にトレーニングパートナーはいません。何度も海外へ遠征し、必要なレベルでトレーニングしてきました。私は自分の人生をできる限りレスリングに捧げました」とコメントした。
20年にわたるキャリアで、オリンピックでメダルを取れなかったことへの無念さを語る一方、エストニア女子の発展に貢献できたことの喜びを語った。間もなく第一子が誕生予定で、「エストニアの女子レスリングをできる限り支援します。エストニア女子の発展を止めないでほしい」と、続くべく選手にエールを送った。