1月23~26日の2025年「イワン・ヤリギン・カップ」の男子フリースタイル61kg級で優勝した2021年東京オリンピック57kg級王者のザウール・ウグエフ(ロシア=29歳)は、ロシア・レスリング協会のホームページで、「2025・26年は61kg級で闘う」ことを明らかにした。
当面の目標は欧州選手権(4月、スロバキア・ブラティスラバ)での金メダル獲得で、「その後のロシア選手権と世界選手権(9月、クロアチア・ザグレブ)でも優勝すること」が今年の目標。昨年10月の世界選手権(アルバニア)の初戦で敗れた小野正之助(山梨学院大)の名前を挙げ、リベンジを誓った。
2021年東京オリンピック57kg級王者の同選手は、現在、ロシアを代表する選手の一人。ロシアで最高レベルの国際大会と言われる「イワン・ヤリギン・カップ」は3年連続5度目の優勝で、これはブバイサ・サイキエフ(オリンピック3度優勝)に続く歴代2位。
同選手権は2018・19年世界選手権で優勝し、2021年東京オリンピックでも金メダルを獲得した。その後、ロシアのウクライナ侵攻の制裁で国際大会への出場ができず、AIN(中立)選手として出場が認められた2023世界選手権(セルビア)57kg級は、国際大会のブランクの影響か、優勝したステバン・ミチチ(セルビア)とゼリムハン・アバカロフ(アルバニア)に敗れて5位。
パリ・オリンピックの出場枠は取ったが、国際オリンピック委員会(IOC)から出場を認められなかった。10月の非オリンピック階級世界選手権の61kg級に出場して世界王者返り咲きを目指したが、初戦で小野に2-10のポイント負け。敗者復活戦を勝ち抜いて3位決定戦へ進んだが、2023年世界王者のビタリ・アルジャウ(米国)に敗れ、メダルを手にできなかった。
4月の欧州選手権の前に、2月末にカザフスタン・アルマトイで行われるプロ・リーグへの参加が決まっており、「アマン(インド=パリ・オリンピック3位)との闘いが楽しみです」とコメントした。