2024.12.24

井上謙二・新強化本部長が決意表明

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 

 2028年ロサンゼルス・オリンピックへ向けての指揮官に就任した井上謙二・強化本部長が12月22日の2024年天皇杯全日本選手権最終日のマットから観客に紹介され、4年後へ向けての決意を話した。

 同氏は京都・網野町少年教室でレスリングを始め、網野高校~日大でレスリングを続け、1994年インターハイ優勝、1996・98年に全日本学生選手権と全日本大学選手権の二冠を制覇。自衛隊へ進み、2004年アテネ・オリンピックの男子フリースタイル60kg級で銅メダルを獲得。

 2009年から指導の道に回り、2016年から今年夏まで自衛隊レスリング班の監督。2017年1月から2021年東京オリンピックまで男子フリースタイルの強化委員長を務めた。

▲全日本選手権最終日に、2028年ロサンゼルス・オリンピックへ向けての決意表明をした井上謙二・強化本部長=撮影・矢吹建夫

 全試合終了後、「若い選手が活躍し、グレコローマンでは高校生の優勝があった一方で、ベテランが力を発揮する大会でもありました。女子も28歳で優勝した階級もあった」と、新旧が混合しての激戦を振り返った。パリ・オリンピックの代表が尾﨑野乃香のみの出場だったが、「来年、復帰する選手も出てくるでしょう」と、さらなる熱い闘いを期待。

 日本の長年の課題でもある重量級に関し、「97㎏級の吉田アラシ選手が頭一つだけ抜けていましたね。本当にパリオリンピックの予選でも惜しいところまで来ていたので、今回の活躍を国内だけで終わらせず、来年の世界大会の代表権をしっかりとって結果を出し、ロサンゼルスに出場する確率が高い選手に成長してほしい」と望んだ。

 来年から中学生でグレコローマンの活動が始まることにふれ、「本格的な強化を図るために、この年末のNTS(ナショナル・トレーニング・システム)合宿に中学生も参加する。そこでグレコローマンの強化をはかりたい。若い時からグレコローマンの技術と体力を身につけ、フリーのように若い時から世界で活躍できる選手の育成したいと考えています」と、新時代へ向けての計画を話した。

 なお、各スタイルの責任者となる強化委員長は、男子フリースタイルが湯元進一氏(自衛隊)、男子グレコローマンが松本隆太郎(育英大教)の2012年ロンドン・オリンピック銅メダリストが就任し、女子は金浜良氏(サントリー)が再任することになった。