2024.10.22

10.21~27 U23世界選手権(アルバニア)出場の男子フリースタイル・チームが出発

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 

 10月21日(月)からアルバニア・ティラナで始まった2024年U23世界選手権に出場する男子フリースタイル・チームが10月21日、成田空港から出発した。同スタイルは25日(金)から行われる。

 昨年は2階級で決勝に進みながら、ともに敗れて金メダルがなかった(他に銅1)。小幡邦彦監督(山梨学院大教)は、パリ・オリンピック日本代表選手の活躍に加え、9月のU20世界選手権(スペイン)でも金2個といい流れできていることで、この波に乗っての好成績を期待。「軽中量級は金メダルを含めたメダルを、重量級は入賞を目指して頑張らせたい」と話した。

 メダル量産もいいが、やはり金メダルがほしいところ。「狙える選手はいる。まず決勝に進むことを考え、今年は決勝で負けないようにサポートしたい」と言う。自身はすぐあとに行われる非オリンピック階級世界選手権の監督も兼ねており、「世界選手権へ向けて弾みをつけたい」と若い世代の選手の健闘を望んだ。

▲アルバニアへ向かった男子フリースタイル・チーム

 昨年の銀メダリストのうち、70kg級の青柳善の輔(クリナップ)が今大会でのリベンジに挑む。「U23もですが、そのあとの世界選手権にも出るので、そちらも頑張りたい」と、ダブルの好成績を目指す。昨年から今年にかけて体力アップを意識して練習してきたので、ビッグマッチが続くことになっても体力面の不安はないと言う。「どちらも優勝のチャンスがあると思っています」ときっぱり。

 学生時代のライバルの一人で、リーグ戦でも対戦した清岡幸大郎(日体大~三恵海運)がパリ・オリンピックで金メダルを取ったことは刺激材料のひとつ。「(清岡は)自分だけではなく多くの選手の目標でしょう。彼を目指して頑張りたい」と気合を入れた。

初の兄弟遠征で同時優勝なるか、髙橋夢大(三恵海運)・海大(日体大)

 4月に74kg級でアジア選手権を制した髙橋海大(日体大)は、初めて兄・夢大(三恵海運)と一緒に海外遠征へ向かう。「自分のやることに集中してきているので、いつもと変わらないと思いますが…」と話しつつも、やはり兄がいると安心感はある様子。「頼れるところは頼って、いい成績につなげたい」と言う。
 
 国内の2大大会(全日本選手権、全日本選抜選手権)を制し、アジア選手権で優勝するなど、最近の活躍は兄以上だが、「兄も意地を見せてくれるでしょう」と健闘を期待し、相乗効果による好成績を目指す。青柳と同じく世界選手権(79kg級)にも出場するので、「U23をいい形で終わらせ、世界選手権へつなげたい」と意気込んだ。

▲初めて兄弟そろっての国際大会に挑む髙橋夢大(左=三恵海運)と海大(日体大)

 86kg級に出場する兄・夢大は「遠征に弟がいるのは新鮮な気持ちです」と、これまでとは違った思いで臨む海外遠征だと言う。自身も、2019年に18歳で世界選手権79kg級に出場しただけでなく、昨年の学生三冠王者(全日本学生選手権両スタイル、全日本大学選手権)に輝き、今年3月には「ヤシャ・ドク&ベービ・エムレ国際大会」(トルコ)で3位入賞するなど活躍はしている。

 しかし、弟が全日本とアジアのタイトルを取ったためか、弟の印象の方が強くなっているのは事実で、そのことは認識している。「今回は優勝して、負けないようにしたい」と“ライバル意識”を見せたあと、「2人で優勝して帰国したいですね」と“共闘”を宣言。

 大会スケジュールと日本選手団は下記の通り。


大会スケジュール

10月21日(月)男子グレコローマン60・67・72・82・97kg級/1回戦~準決勝
  22日(火)前日開始階級の敗者復活戦とファイナル
       男子グレコローマン55・63・77・87・130kg級/1回戦~準決勝
  23日(水)前日開始階級の敗者復活戦とファイナル
       女子50・55・59・68・76kg級/1回戦~準決勝
  24日(木)前日開始階級の敗者復活戦とファイナル
       女子53・57・62・65・72kg級/1回戦~準決勝
  25日(金)前日開始階級の敗者復活戦とファイナル
       男子フリースタイル61・74・86・92・125kg級/1回戦~準決勝
  26日(土)前日開始階級の敗者復活戦とファイナル
        男子フリースタイル57・65・70・79・97kg級/1回戦~準決勝
  27日(日)前日開始階級の敗者復活戦とファイナル


日本選手団・役員

 【チームリーダー】馬渕賢司(岐阜・恵峰学園職)

 【男子グレコローマン監督】笹本睦(日本オリンピック委員会)、【同コーチ】藤村義(自衛隊)
 【女子監督】志土地翔大(ジェイテクト)、【同コーチ】冨田和秀(自衛隊)
 【男子フリースタイル監督】小幡邦彦(山梨学院大教)、【同コーチ】小平清貴(警視庁)

 【ドクター】矢野雄一郎(とちぎメディカルセンター)、【トレーナー】野呂賢二(JSC業務委託)

 【審判】土居克也(愛媛・今治工高教)


日本代表選手

 【男子グレコローマン】
▼55kg級 山際航平(日体大)
▼60kg級 森 靖仁(日体大)
▼63kg級 澤田幸明(拓 大)
▼67kg級 矢部晴翔(自衛隊)
▼72kg級 小野健作(日体大)
▼77kg級 山田 脩(日体大大学院)
▼82kg級 谷﨑大造(自衛隊)
▼87kg級 小堀雄大(東洋クラブ)
▼97kg級 中原 陸(大東大)
▼130kg級  山田康瑛(山梨学院大)

 【女子】
▼50kg級 伊藤 海(早稲田大)
▼53kg級 坂本由宇(AACC)
▼55kg級 五味音々(育英大)
▼57kg級 屶網瑠夏(至学館大)
▼59kg級 德原姫花(自衛隊)
▼62kg級 内田奈佑(至学館大)
▼65kg級 寺本 鈴(山梨学院大)
▼68kg級 石井亜海(育英大)
▼72kg級 藤倉優花(育英大)
▼76kg級 山本和佳(至学館大)

 【男子フリースタイル】
▼57kg級 小澤楽翔(中 大)
▼61kg級 赤嶺明柳(日体大)
▼65kg級 荻野海志(山梨学院大)
▼70kg級 青柳善の輔(クリナップ)
▼74kg級 髙橋海大(日体大)
▼79kg級 佐藤匡記(自衛隊)
▼86kg級 髙橋夢大(三恵海運)
▼92kg級 三浦哲史(拓 大)
▼97kg級 佐々木優太(育英大)
▼125kg級  濱田豊喜(中 大)