2024.10.20

【展望】早大の2年連続3階級制覇なるか…2024年全日本大学グレコローマン選手権/各階級

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 

《大学対抗得点・展望から続く》 《大会要項》

(10月23~24日、東京・駒沢屋内球技場)


大会スケジュール

10月23日(水)午前10時 開会式/1回戦~準決勝(全階級)
  24日(木)午前10時 敗者復活戦・3位決定戦・決勝(全階級)


階級別エントリー

55kg 60kg 63kg 67kg 72kg
77kg 82kg 87kg 97kg 130kg

各階級・展望

 【55kg級】=18選手エントリー《エントリー選手》

 昨年の全日本学生選手権2位の大楠健太(日体大)が、今年5月の全日本選抜選手権で優勝と力をつけている。全日本選抜選手権決勝を争って敗れた尾西大河(早大)のリベンジなるか。全日本学生選手権で尾西を破って2位に入った増田壮兼(育英大)が一気に栄冠をつかむか。

 西日本学生選手権を制した佐々木暢久(九州共立大)、JOCジュニアオリンピックカップU20で2位の二宮健輝(日本文理大)、昨年の西日本学生選手権優勝の船越陽晴(周南公立大)らの西日本勢の台頭はあるか。

▲全日本選抜選手権王者として出場する大楠健太(日体大)=撮影・矢吹建夫


 【60kg級】=22選手エントリー《エントリー選手》

 昨年優勝の五味虹登(育英大)が連覇を目指す。8月の全日本学生選手権を制し、国民スポーツ大会も3位に食い込むなど調子はいい。JOCジュニアオリンピック決勝で敗れた金澤孝羽(日体大)へのリベンジを果たしての優勝が目標となろう。金澤は全日本選抜選手権で3位に入るなど力をつけており、1年生王者を目指す。

 フリースタイルで全日本学生選手権57kg級を制した勝目大翔(山梨学院大)が、どこまでやるか。静岡・飛龍高時代は全国高校生グレコローマン選手権で優勝の実績がある。全日本選抜選手権55kg級3位の伊藤翔哉(専大)、西日本学生選手権2位の髙山瑛渉(九州共立大)らが上位へ食い込めるか。

▲2連覇を目指す五味虹登(育英大)。金澤孝羽(日体大)へのリベンジなるか=撮影・矢吹建夫


 【63kg級】=13選手エントリー《エントリー選手》

 昨年3位で、今年の全日本学生選手権も3位だった三谷剛大(育英大)が学生の頂点に立ちたいところ。昨年の全日本選手権3位、今年の全日本選抜選手権2位と地力は十分についている。渡部泰世(専大)も昨年3位、今年の全日本学生選手権3位と三谷と同じ順位を続けた。学生王者を目指して両者の激突となるか。7月の東日本学生選手権67kg級での対戦は三谷が勝ったが、本来の階級ではどうか。

 全国的には無名の存在から西日本学生選手権の1年生王者に急成長している杉本壮汰(九州共立大)、西日本学生選手権67kg級2位の今中賀也(大体大)ら西日本勢が、両者の闘いに割って入れるか。

▲優勝争いが予想される三谷剛大(赤=育英大)と渡部泰世(専大)。7月の東日本学生選手権での対戦は三谷が勝った


 【67kg級】=23選手エントリー《エントリー選手》

 昨年2位の長谷川虎次郎(育英大)がU20世界選手権3位入賞と国際舞台でも通じるまでに実力をつけており、初の学生タイトルを目指す。全日本学生選手権は優勝した丸山千恵蔵(日体大)に敗れて3位だったが、同大学からエントリーされているのはフリースタイルでU20世界選手権2位の細川周。京都・丹後緑風高時代には全国高校生グレコローマン選手権で3位の実績を持つ。どこまでやるか。

 昨年3位で今年の国民スポーツ大会3位の西田衛人(専大)、全日本学生選手権3位の山下丈翔(東洋大)、U20アジア選手権63kg級3位の屶網剣勝(拓大)、一昨年、昨年と全国高校生グレコローマン選手権を連覇している荻野大河(山梨学院大=当時埼玉・埼玉栄高)らが、優勝争いに加われるか。

▲国際舞台へ進出している長谷川虎次郎(育英大)。学生のタイトルを手にできるか


 【72kg級】=12選手エントリー《エントリー選手》

 昨年3位で今年の全日本選抜選手権2位の石原三四郎(中大)が初の学生タイトルを手にできるか。躍進する中大のグレコローマンでの強さを見せたいところ。中大選手が優勝すれば2010年以来、14年ぶりとなる。全日本選抜選手権で石原に敗れて3位だった豊田崚真(拓大)がリベンジしての優勝を目指す。

 JOCジュニアオリンピックカップ優勝の菊田創(青山学院大)、西日本学生選手権82kg級優勝の谷川光星(周南公立大)、東日本学生選手権(春季)2位の茂野吏玖(国士舘大)がどこまで上位へ食い込むか。

 フリースタイルで全日本選抜選手権70kg級2位の小川統己(東洋大)、全日本学生選手権70kg級2位の冨山悠真(山梨学院大)が、スタイルを変えて殊勲を達成するか。

▲全日本選抜選手権2位の実力を見せるか、石原三四郎(中大)=撮影・矢吹建夫


 【77kg級】=20選手エントリー《エントリー選手》

 昨年の全日本選手権2位で、今年の全日本学生選手権を制した友寄汰志(日体大)が、学生二冠王者へ挑む。国民スポーツ大会は社会人(櫻庭功大=自衛隊)相手に初戦敗退だっただけに、立て直して12月の全日本選手権へ挑みたいところ。

 友寄に敗れて全日本学生選手権3位だった鹿糠鉄斗(育英大)、昨年3位の林拳進(中大)、国民スポーツ大会3位の角出直生(東洋大)、西日本学生選手権優勝の小川凛太郎(九州共立大)澤田宗一郎(周南公立大)=注:特別措置によって3選手が優勝、そのうちの2人=らが友寄の優勝を阻止できるか。

 フリースタイルの選手ながら東日本学生選手権(春季)のグレコローマンで優勝した鈴木大樹(山梨学院大)が、どこまで上位へ食い込めるか。

▲学生二冠王者を目指す友寄汰志(日体大)=撮影・保高幸子


 【82kg級】=7選手エントリー《エントリー選手》

 昨年、1年生で王者に輝き、今年の全日本学生選手権も制した掛川零恩(早大)が、2連覇と学生二冠王者を目指す。今年は5月の全日本選抜選手権3位のあと、87kg級でU20世界選手権に挑み(1勝1敗で11位)、国民スポーツ大会も3位と、1階級上で鍛えている。

 挑む一番手は昨年の全日本選手権77kg級優勝で、今大会はこの階級で起用される堀北一咲望(日体大)か。今年の全日本選抜選手権は82kg級に挑んで5位(掛川との対戦はなし)。掛川の牙城を崩せるか。

 昨年3位で今年の全日本学生選手権2位の山口蓮汰(神奈川大)、フリースタイルの選手ながら東日本学生選手権(春季)グレコローマンで山口を破って優勝した高原崇陽(専大)、JOCジュニアオリンピックカップU20 2位の矢作元貴(法大)らが優勝戦線に浮上できるか。

▲2連覇と学生二冠王者を目指す掛川零恩(早大)=撮影・保高幸子


 【87kg級】=22選手エントリー《エントリー選手》

 97kg級から階級を下げて2年連続優勝を目指す北脇香(早大)に、今年の全日本学生選手権で北脇を破って優勝した磯江大成(日体大)が“2度目の正直”に挑む。磯江はU20アジア選手権を経験し(5位)、国民スポーツ大会は2位入賞と勢いがある。北脇がその勢いを止めることができるか。

 全日本学生選手権3位の岩井知史(明大)、東日本学生選手権(昨年秋季・今年春季)優勝の吉澤英(育英大)が両者の優勝争いを阻止できるか。グレコローマンに挑戦するフリースタイル86kg級学生王者の五十嵐文彌(山梨学院大)が、どこまで上位へ食い込むか。

▲階級を下げて2年連続優勝を目指す北脇香(早大)=撮影・矢吹建夫


 【97kg級】=20選手エントリー《エントリー選手》

 昨年優勝の北脇香は階級を下げ、空いた座を全日本学生選手権2位の加藤大翔(国士舘大)、同87kg級2位の鬼塚一心(日体大)、昨年の全日本学生選手権97kg級優勝の吉田アラシ(日大)、西日本学生選手権優勝の奥田歩希(九州共立大)らが狙う。鬼塚は優勝すれば1年生王者へ。吉田は2022年全日本選手権フリースタイル92kg級決勝で敗れたあと、国内ではグレコローマン1大会を含めて8大会連続優勝。その勢いを持ち込めるか。

 JOCジュニアオリンピックカップU20優勝の菊地一瑳(明大)、同2位の佐野龍虎(周南公立大)らの台頭も期待される。

▲グレコローマンでも昨年の全日本学生選手権を制している吉田アラシ(日大)。タイトルを加えられるか=撮影・保高幸子


 【130kg級】=16選手エントリー《エントリー選手》

 全日本学生選手権で優勝し、グレコローマンでも実力をつけたアビレイ・ソビィット(山梨学院大)が学生二大会を制するか。同選手権でソビィットに敗れたバトバヤル・ナムバルダグワ(育英大)の巻き返しなるか。

 全日本学生選手権3位の吉里颯太(九州共立大)、東日本学生選手権(春季)優勝の岩澤歩(日体大)、西日本学生選手権優勝(両スタイル制覇)の佐々岡誇仁(中京学院大)らが、留学生の栄冠獲得を阻止できるか。

▲グレコローマンでも実力をつけたアビレイ・ソビィット(山梨学院大)=撮影・保高幸子