2024.10.18

10.21~27 U23世界選手権(アルバニア)出場の男子グレコローマン・チームが出発

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 

 10月21日(月)~27日(日)にアルバニア・ティラナで行われる2024年U23世界選手権に出場する男子グレコローマン・チームが10月17日、成田空港から出発した。昨年は3選手が銅メダルを獲得し、その一人の矢部晴翔(67kg級=自衛隊)が今年も出場する。

 3スタイルを統括する馬渕賢司チームリーダー(岐阜・恵峰学園職)は、昨年のグレコローマンの結果を評価しつつ、「今年はファイナル(決勝)進出選手を求めたい」とワンランクアップの成績を期待。女子には、どの選手も優勝を目指したうえでの国別対抗得点での6大会連続優勝(コロナで不出場だった2021年大会を除く)を求める。男子フリースタイルは昨年、2階級で決勝に進みながらともに敗れて銀メダルだっただけに、今年は金メダル獲得が目標と言う。

 8月のU20世界選手権(スペイン・ポンテベドラ)にもチームリーダーとして参加し、パリ・オリンピックで見せた日本の強さが注目されていることをひしひしと感じた。研究されてくることは覚悟しているが、それを破らなければならないと言う。「次のオリンピック予選まで3年。この世代の選手が中心となって挑むことになる。それを意識して世界で勝てるレスリングを求めてほしい」と要望した。

▲アルバニアへ向かった男子グレコローマン・チーム

 男子グレコローマンの笹本睦監督(日本オリンピック委員会)は「今回の代表選手は確実にロサンゼルス・オリンピックの代表争いにからむ選手。去年よりいい成績を求めたい」と期待。急成長して台頭してきた選手もおり、試合をしっかり見たことのない選手もいるそうだが、「選手が100パーセントの力を出せるようにサポートしていきたい」と言う。

 馬渕チームリーダー同様、外国チームからのマークのきつさを予想しつつ、「そこを勝ち抜かなければ、ロサンゼルスでの勝利もない」ときっぱり。日本選手の永遠の(?)課題とも言うべき外国選手相手のグラウンドの防御をしっかりやり、国際大会の闘いに慣れてくれることを望んだ。

全日本選抜王者の自信を持って臨む矢部晴翔(自衛隊)

 昨年の銅メダル以上のメダル獲得を目指す矢部は「目標は優勝」ときっぱり。昨年はトルコ選手との準決勝が3-3の黒星で、ここを競り勝てれば決勝進出だった。「後半のグラウンドを守り切れなかったのが敗因。後半も攻め、守れる練習をしてきた。練習の成果を出したい」と言う。

 今年は5月の明治杯全日本選抜選手権で優勝し、初めて全日本の大会を制した。「自分にとって大きな一歩です。自信にもなりました。今大会につなげたい」と話した。

 8月の全日本学生選手権(インカレ)で優勝し、その勢いを持ち込みたい63kg級の澤田幸明(拓大)は、2022年にU20アジア選手権3位、昨年U20世界選手権3位を経てのU23世界への挑戦。「練習してきたことをしっかり出して闘いたい」と気合を入れる。インカレでは自分の課題にしていたプレッシャーをかけ続けることができての勝利で、かなりの自信になったと言う。

 一世代上での闘いに対する不安は、現段階ではないと言う。「シニアの国際大会なら(不安が)出てくるかもしれませんが、同じ世代の闘いですから」と話した。

 大会スケジュールと日本選手団は下記の通り。女子は19日、男子フリースタイルは21日に、それぞれ出発する。


大会スケジュール

10月21日(月)男子グレコローマン60・67・72・82・97kg級/1回戦~準決勝
  22日(火)前日開始階級の敗者復活戦とファイナル
       男子グレコローマン55・63・77・87・130kg級/1回戦~準決勝
  23日(水)前日開始階級の敗者復活戦とファイナル
       女子50・55・59・68・76kg級/1回戦~準決勝
  24日(木)前日開始階級の敗者復活戦とファイナル
       女子53・57・62・65・72kg級/1回戦~準決勝
  25日(金)前日開始階級の敗者復活戦とファイナル
       男子フリースタイル61・74・86・92・125kg級/1回戦~準決勝
  26日(土)前日開始階級の敗者復活戦とファイナル
        男子フリースタイル57・65・70・79・97kg級/1回戦~準決勝
  27日(日)前日開始階級の敗者復活戦とファイナル


日本選手団・役員

 【チームリーダー】馬渕賢司(岐阜・恵峰学園職)

 【男子グレコローマン監督】笹本睦(日本オリンピック委員会)、【同コーチ】藤村義(自衛隊)
 【女子監督】志土地翔大(ジェイテクト)、【同コーチ】冨田和秀(自衛隊)
 【男子フリースタイル監督】小幡邦彦(山梨学院大教)、【同コーチ】小平清貴(警視庁)

 【ドクター】矢野雄一郎(とちぎメディカルセンター)、【トレーナー】野呂賢二(JSC業務委託)

 【審判】土居克也(愛媛・今治工高教)


日本代表選手

 【男子グレコローマン】
▼55kg級 山際航平(日体大)
▼60kg級 森 靖仁(日体大)
▼63kg級 澤田幸明(拓 大)
▼67kg級 矢部晴翔(自衛隊)
▼72kg級 小野健作(日体大)
▼77kg級 山田 脩(日体大大学院)
▼82kg級 谷﨑大造(自衛隊)
▼87kg級 小堀雄大(東洋クラブ)
▼97kg級 中原 陸(大東大)
▼130kg級  山田康瑛(山梨学院大)

 【女子】
▼50kg級 伊藤 海(早稲田大)
▼53kg級 坂本由宇(AACC)
▼55kg級 五味音々(育英大)
▼57kg級 屶網瑠夏(至学館大)
▼59kg級 德原姫花(自衛隊)
▼62kg級 内田奈佑(至学館大)
▼65kg級 寺本 鈴(山梨学院大)
▼68kg級 石井亜海(育英大)
▼72kg級 藤倉優花(育英大)
▼76kg級 山本和佳(至学館大)

 【男子フリースタイル】
▼57kg級 小澤楽翔(中 大)
▼61kg級 赤嶺明柳(日体大)
▼65kg級 荻野海志(山梨学院大)
▼70kg級 青柳善の輔(クリナップ)
▼74kg級 髙橋海大(日体大)
▼79kg級 佐藤匡記(自衛隊)
▼86kg級 髙橋夢大(三恵海運)
▼92kg級 三浦哲史(拓 大)
▼97kg級 佐々木優太(育英大)
▼125kg級  濱田豊喜(中 大)