2024.10.14

【2024年世界ベテランズ選手権・特集】無念の初戦敗退、体を作り直してリベンジを誓う…B62kg級・藤本健太(三恵海運)

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 

 【ポレチュ(クロアチア)】70kg級の坂本将典(SKアカデミー)とともに、2019年大会のチャンピオンとして5年ぶりの優勝を目指したDivision B(41~45歳)62kg級の藤本健太(三恵海運)は、1回戦でウクライナ選手に不覚。その選手が続く試合で米国選手の横捨て身技を受けてフォール負け。敗者復活戦~3位決定戦の道も閉ざされ、優勝した坂本と明暗を分けた。

 藤本は「コンディションは悪くなかった。体重調整が今ひとつだったけど、一番の敗因は練習不足です。闘うイメージはしっかりできていても、体がうまく動かず、やっぱり練習不足なんだな、と思いました」と振り返る。

▲6点を追って必死の反撃を試みる藤本健太(三恵海運)。相手はばてていたものの、粘りはあった

 パリ・オリンピックで金メダルを取った会社の2選手(日下尚、清岡幸大郎)と違って普通の業務をこなしている。レスリング活動を優先するわけにはいかないが、「髙田肇社長のご支援と会社の理解で遠征させてもらい、最高の形で恩返ししたかった」と悔しさをにじませ、「体を1から作り直して、絶対にやり返してやる、と思っています」とリベンジを誓った。

6分間の試合なら、追いつけるムードはあったが…

 試合は、開始早々にテークダウンを許し、あっと思う間もなくローリング2回転で0-6。反撃を試みたが、終了間際に4-6と追い上げたのが精いっぱい。ベテランズの大会は2分×2ピリオドの4分間だが、3分×2ピリオドの6分間の試合なら、追いつけるムードは感じられた。事実、「(試合時間が)めっちゃくちゃ短かく感じました」と振り返る。

 第2ピリオド、「相手は(ばてていて)明らかにカウンター待ちだった」そうで、スタミナの差は明白だった。しかし、「そこを破れなかったのは自分の実力不足。体力だけでは試合に勝てない。いろんな部分で考えてやらないとならない」と振り返り、試合時間が2分×2ピリオドのルール下での課題を見つけた試合でもあった。今後に、どう生かすか。

▲終了間際に4-6と追い上げたが、反撃もそこまで。攻めていただけに、悔やまれる結果となった

 現在のレスリング活動のメーンは、キッズ・クラブの指導。自身の練習となると、自転車で20分くらいの場所に関大のレスリング場があり、時に同部の練習に参加させてもらっている。5年前のときは関大で朝練習にも参加し、週3~4回の練習をこなしていた。今は、そのときの10分の1ぐらいの練習量とのこと。

 これからは、「自分でうまく時間を調整して練習したい」と言う。関大での練習のほか、現役部員が練習でお世話になっている日体大に2ヶ月に一度くらいの割合で訪れ、視察だけでなく練習させてもらってもいるので、そうした機会での練習の量と質を向上させてリベンジを目指す腹積もりだ。

 一般の社会人としての活動だが、いろんな人が応援してくれ、「勇気もらっているよ」となどと言ってくれる人も少なくない。「結果で恩返しして、応援してくれる人や、練習を受け入れてくれる関大の選手に新たなパワーを与えられるように頑張っていきたい」と話す。気持ちはすでに再始動-。