2024.10.06

10.8~10世界ベテランズ選手権(クロアチア)出場の日本選手団が出発

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 

 10月8日(日)~10日(月)にクロアチア・ポレチュで行われる2024年世界ベテランズ選手権に参加する日本選手団が10月5日、成田空港から出発した。2019年大会は5選手が優勝。コロナによる派遣なしをはさんで、昨年は1選手が勝った。今年は複数選手の優勝が望まれるところ。

▲クロアチアへ向かった日本選手団

 この大会で2度優勝している勝目力也監督(全日本マスターズ連盟強化委員長)は「パリ・オリンピックで日本代表選手がいい成績を残してくれたので、こちらも頑張って最高の結果を残し、日本レスリング界を盛り上げたい」との抱負。当日の朝に計量するルールは「(スタミナでまさる)日本選手にとって有利」と話し、その利点を生かしての好成績を期待した。

 Division B(41歳以上45歳以下)で2019年大会の優勝選手が2人出場する。62kg級の藤本健太(三恵海運)は、パリで2人(日下尚、清岡幸大郎)が優勝した同社のレスリング部の監督を務めている。「会社は波に乗っている。(同時期にある)国民スポーツ大会に出場する選手もいるし、自分も優勝して年末の全日本選手権につなげたい」と気合十分。

 国際大会は5年ぶりだが、国内では全日本マスターズ選手権などに出場しているので、体力は十分にキープしている。「コンディションを整え、万全の状態で臨みたい」と言う。

 70kg級の坂本将典(SKレスリングアカデミー)は「いろんな人に支えられて、ここに来ることができました。感謝の気持ちしかありません。期待にこたえるというより、チャレンジャーの気持ちに立ち返って2度目の世界一を目指したい」と言う。

 コロナや自身の病気のため練習から遠ざかった時期もあり、出場を迷う気持ちもあったと言う。しかし、最近はしっかり練習できており、「(コロナなどは)言い訳だな。チャレンジしようと思いました」と再出場の動機を話す。耳の病気でのブランクだったため、飛行機での移動に多少の不安があるそうだが、小さな大会での試合は重ねており、試合そのものへの不安はなし。5年ぶりの優勝に燃えている。

▲5年ぶりの優勝を目指す藤本健太(左)と坂本将典

全日本選抜王者の実力を見せられるか、天野雅之(中央大学職員)

 別格の存在とも言うべきは、Division A(35歳以上40歳以下)100kg級に出場する天野雅之(中央大学職員)。今年5月の明治杯全日本選抜選手権の男子グレコローマン97kg級を制しており、シニアの日本トップ選手の参戦だ。今回挑むのは慣れていないフリースタイル。「初出場で、スタイルも違うのでレベルが分かりません。できることを精いっぱいやりたい」と言う。

 ただ、レスリングのスタートはフリースタイル。全国社会人オープン選手権の団体戦でフリースタイルに挑んだこともあり、この大会に向けて練習も積んできた。「その成果を試合でも出したい。優勝を目標に頑張りたい」と言う。先月も「ワールド・ノマド・ゲームズ」(カザフスタン)のベルトレスリングと、ビーチレスリング・ワールドシリーズ(ギリシャ)に出ており、“闘い”が人生。全日本選手権へ向けての起爆剤になるか。

 空港では、全日本マスターズ連盟の吉田義勝会長からの「今は大会に向けて心構えと体調管理に余念がないことと思います。明確な目標を持って最高のパフォーマンスを発揮することを祈念します。皆さんはこの先、マスターズ・レスリングの普及・発展の礎となる方々ですので、成績もさることながらいろいろな面を学んできて下さい」とのメッセージが伝えられた。

 大会スケジュールと日本選手団は下記の通り。

※指導者など敬称をつけるべき立場の人であっても、大会記事では敬称を略します


大会スケジュール(グレコローマンは11~13日=省略)

10月 8日(火)Division B・E/1回戦~決勝
   9日(水)Division C・D/1回戦~決勝
  10日(木)Division A/1回戦~決勝


日本選手団・役員

【監 督】勝目力也(全日本マスターズ連盟強化委員長)
【コーチ】岡田英雅(全日本マスターズ連盟副理事長/総務委員長)

【帯同審判】若佐篤実(福山通運)、浦田享(藤園南幼稚園)


日本選手団・出場選手

 【Division A(35歳以上40歳以下)】
▼62kg級 髙ノ山翼(岐阜市消防本部)
▼62kg級 中村 大(AKAZA)
▼70kg級 黒崎辰馬(神戸医療未来大学教員)
▼78kg級 大谷健輔(学校法中央大学職員)
▼88kg級 奈良部嘉明(筑西広域消防本部)
▼100kg級  天野雅之(学校法人中央大学職員)

 【Division B(41歳以上45歳以下)】
▼62kg級 藤本健太(三恵海運)
▼70kg級 坂本将典(SKレスリングアカデミー)
▼100kg級  幸野 亨(静岡・三島高校OB)

 【Division C(46歳以上50歳以下)】
▼62kg級 吉田誠治(Ap-speed)

 【Division D(51歳以上55歳以下)】
▼62kg級 加藤進之(豊島区レスリング協会)
▼100kg級  榊原啓三(神奈川大学グラロス)

 【Division E(56歳以上60歳以下)】
▼62kg級 黛義幸(富実レスリングクラブ)