※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
英国やインドの多くのメディアが報じたところによると、2026年に予定されているコモンウェルス(英連邦)大会がスコットランド・グラスゴーで開催されることが決まり、「コストを最小限に抑える」という方針のもと、レスリングは実施されない可能性が高くなった。インド・レスリング協会は実施を要望しているという。
インドやカナダなど英国連邦の国によって4年に一度行われる同大会の2026年大会は、当初、オーストラリア・ビクトリア州で予定されていたが(関連記事)、経費の高騰によって昨年7月に辞退。2014年に同大会を開催したグラスゴーが競技や選手の数を減らした規模縮小で引き受けることが決まった。
同大会は、陸上や水泳など10競技が必須競技として決まっており、そこにレスリングは含まれていない。まだ実施競技は決まっていないが、同市はコモンウェルス連盟(CGF)に対して「10競技の実施を支持する」と伝えており、レスリングが実施されない可能性は高い。
CGFのクリス・ジェンキンス会長は「開催国と国際連盟による持続可能なモデルとして、大会を再構築するという我々の取り組みにおける重要な第一歩」とし、規模縮小によって、将来の開催に手を挙げる国が増えると予想している。
資金の問題などでオリンピックが開催地決定に苦慮しているのは周知の事実。2026年に名古屋市で行われるアジア大会も資金難の問題が持ち上がっている。コモンウェルス大会もご多分にもれず資金の問題に直面し、開催地探しが大変な状況。英国のBBCは「グラスゴーは、コモンウェルスの最後の大会となるのか、それとも賢明な再生となるのか?」といった特集を組み、大会が曲がり角に来ていることを報じている。
▲女性審判員が76%で構成された2022年コモンウェルス大会(英国・バームンガム)。レスリング界にとって大きな転機となった大会だが、もう実現されることはないのか?=UWWサイトより(関連記事)