※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
(2024年8月9日、シャン・ド・マルス・アリーナ)
■女子62㎏級・元木咲良(育英大助手=準決勝で一時は5点差をつけられながら起死回生の反り投げで逆転フォール勝ち)「(ひとつ前の準決勝で宿敵である)アイスルー選手が負けてしまっていたので、それが頭にちょっと残ってしまい、集中し切れない自分がいました。(反り投げは)倒されかけたところでブリッジして逃げようと思った。それがたまたまひっくり返って、たまたまフォールできたというだけです。反り投げは練習でも怖くてやったことがなかった。もちろん試合で出たのは初めてでした。
大差をつけられたときには『金メダルを取りに来たのに、準決勝で負けてしまうんじゃないか』と思ってしまい、もう本当に怖かった。(最後は)本当に神様が助けてくれたんだと思います。最後、追い込まれた場面では観客席にいる(育英大の)柳川監督の『咲良、攻めろ』という声が聞こえてきました。恐怖心から解放されたときには安心して涙が出ました。今日、初めてオリンピックの舞台で戦い、『もう何も怖いものはない』と思ったんで、明日の決勝は思い切り自分の実力をしっかり発揮して、金メダルを取りに行きたいと思います」