※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
昨年の世界選手権でバーレーン史上初めて世界王者に輝いた第2シードのアフメド・タジュディノフ(ロシア・ダゲスタン出身だが、国際大会は当初からバーレーン国籍で出場)が、オリンピック・チャンピオンの栄光もつかめるか。世界選手権後のアジア大会と今年のアジア選手権も制して、勢いはとどまることを知らない。
バーレーンは1984年にオリンピックに初出場。現在までに陸上で「金2・銀2」があるだけで、他の競技でのメダル獲得はない。
2016年リオデジャネイロ・オリンピックの覇者のカイル・スナイダー(米国)は、階級を上げてきたアブデシュラシド・サデュラエフ(ロシア)には分が悪かった。サデュラエフが欠場した2022年世界選手権は優勝したものの、昨年の世界選手権はタジュディノフ(バーレーン=前述)に敗れて3位。
今回は第3シードなので、準決勝でタジュディノフにリベンジするとともに、2大会ぶりのオリンピック王者を目指す。世界選手権のあと、パンアメリカン大会と今年のパンアメリカン選手権で優勝している。
反対ブロックでは、昨年の世界選手権3位で第1シードとなったマゴメドハン・マゴメドフ(アゼルバイジャン)、世界選手権5位で第4シードのイブラヒム・チフチェ(トルコ)、今年の欧州選手権を制した第5シードのギビ・マチャラシビリ(ジョージア)が優勝を争うか。
アジア予選を勝ち抜いたアミーラリ・アザルピラ(イラン)は、2022年U23世界選手権優勝、昨年の世界選手権は92kg級8位の選手。今年1月の「ザグレブ・オープン」(クロアチア)ではカイル・スナイダー(米国=前述)を破る成長ぶりを見せている。