※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
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【日本代表】 櫻井 つぐみ(育英大助手) 《略歴》 《JWFデータベース》 《UWWデータベース》 《国際大会成績》 |
2023年世界女王 |
エントリー選手 |
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55kg級時代を通じて世界選手権の舞台では負けを知らない櫻井つぐみ(育英大)が第1シードで、世界の強豪から標的とされる立場にいる。同じブロックでは、2大会ぶりのオリンピック優勝を目指すヘレン・マルーリス(米国)と準決勝で激突しそう。
シード順では、マルーリスが第5シードで、昨年の世界選手権5位のアンヘリナ・ライサク(ポーランド)が第4シードだが、これまでの実績からしてマルーリスに分がある。今年も2月のパンアメリカン選手権と6月の「ポーランド女子オープン」を制して好調。ただ、櫻井とは2度闘って1点も取れていないので、マルーリスにとって櫻井は苦手なタイプかもしれない。
反対ブロックにいる第2シードは、昨年の世界選手権決勝を櫻井と闘ったアナスタシア・ニチタ(ルーマニア)。櫻井が3-2で競り勝った。今年に入ってから、1月の「ザグレブ・オープン」(クロアチア)3位、2月の欧州選手権59kg級5位、6月のランキング大会(ハンガリー)5位と優勝に見放されている。不調なのか、本番を見据えた試行錯誤の闘いをしているのか不明だが、59kg級時代に欧州や世界を制している選手の実力をあなどってはなるまい。
第3シードとしてニチタと決勝進出を争う可能性がある世界選手権3位のオデュナヨ・アデクオロイェ(ナイジェリア)は、アフリカ女子初の世界一の期待を受ける選手。第2シードとなって有望視された東京オリンピックは、初戦でニチタに8-0からの逆転フォール負けを喫しており、ニチタへのリベンジを含めて今大会に燃えてくるだろう。
今年、57kg級の試合でニチタを破ったのは、1月はホン・ケシン(洪可新=中国)、6月はアンシュ・マリク(インド)のアジア予選通過選手(6月には別の中国選手にも敗れている)。6月のランキング大会はこの両者が決勝で対戦し、ホン・ケシンがテクニカルスペリオリティ勝ち。ニチタのいるブロックからはホン・ケシンが勝ち上がってくる可能性も十分(マリクはノーシード)。
櫻井は、今年4月のアジア選手権でフェン・ヨンシン(中国)に敗れている。中国選手との闘いはこれが初めてだった。パリ大会のエントリーは別の中国選手だが、“中国スタイル”への研究が課題となろう。
Nichita, Anastasia(モルドバ) | |||||
2023年 | 世界選手権 | ○ | 3-2 | ● | Nichita, Anastasia |
Maroulis, Helen Louise(米国) | |||||
2023年 | 世界選手権 | ○ | 6-0 | ● | Maroulis, Helen Louise |
2022年 | 世界選手権 | ○ | 3-0 | ● | Maroulis, Helen Louise |
Hrushyna Akobiya, Alina(ウクライナ) | |||||
2022年 | 世界選手権 | ○ | 2-2 | ● | Hrushyna Akobiya, Alina |
Lysak, Anzhelina(ポーランド) | |||||
2023年 | 世界選手権 | ○ | 7-0 | ● | Lysak, Anzhelina |
Malik, Anshu(インド) | |||||
2022年 | アジア選手権 | ○ | フォール、0:53=4-0 | ● | Malik, Anshu |
Russo, Aurora(イタリア) | |||||
2023年 | 世界選手権 | ○ | VSU、0:46=10-0 | ● | Russo, Aurora |