※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
(2024年6月9日、ハンガリー・ブダペスト / 取材・撮影=布施鋼治)
■男子グレコローマン77㎏級優勝・日下尚(三恵海運=体調がいまひとつの中、1日5試合を勝ち抜いて優勝)「決勝はやる気満々だったので、(相手の負傷棄権で試合が終わってしまって)変な気分ですね。優勝したという気持ちではない。決勝の相手は自分との試合が原因ではなく、以前から手の指をけがしていたようで、途中で痛くなって、セコンドが『やめろ』と止めたみたいです。
(1日5試合を振り返って)正直言って、コンディションがめちゃくちゃ悪かった。体が全然動かなくて、どうしようかと思っていた。その中でも勝ち切るという(ことが大切だと思いました)…。2日前には樋口黎先輩(男子フリースタイル57kg級)が、熱がある中で『これが本番(オリンピック)だと思って闘った』と言っているのに、自分はコンディション悪いからという理由で負けてはいられなかった。先輩の言葉が胸に響きました。3回戦(準々決勝)くらいからようやく動けるようになってきた感じがしました」