※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
【ベオグラード(セルビア)】2023年世界選手権第2日は9月17日、当地で新たに男子フリースタイル4階級がスタート。準決勝までが行われ、57kg級の樋口黎(ミキハウス)が決勝進出を決めた。18日朝の計量をパスした段階で2位以上を確保することになり、日本協会の定めた規定によって、来年のパリ・オリンピックの日本代表に内定する。74kg級の高谷大地(自衛隊)は準々決勝で敗れたが、敗者復活戦に回って銅メダルを目指す。92kg級の吉田アラシ(日大)は準決勝で敗れ、3位決定戦へ進む。
樋口は初戦の2回戦からブルガリアと中国の選手を破り、準々決勝で2年連続61kg級欧州チャンピオンのアルセン・ハルチュニャン(アルメニア)に16-14で勝利。そのあと、準決勝で6月の世界レスリング連盟(UWW)ランキング大会3位のメイランベク・カルトバイ(カザフスタン)にテクニカルスペリオリティ(テクニカルフォール)勝ち。決勝進出を決めた。昨年3位で、米国のミシガン大卒業で父の国籍を選択した地元のステバン・ミチッチ(セルビア)と対戦する。
樋口は2016年リオデジャネイロ・オリンピックの同級銀メダリスト。2021年東京オリンピックの出場は逃し、パリ・オリンピックに出場すれば2大会ぶりの出場となる。日本選手で、1大会をはさんで2度のオリンピックに出場するのは、1980年モスクワ大会がらみを別にすると、1996年アトランタ大会と2004年アテネ大会に出場した横山秀和(男子フリースタイル82・84kg級)以来、2人目。
高谷は、1回戦で65・70kg級時代に世界王者に輝いている昨年3位のフランク・チャミゾ(イタリア=元キューバ)を破る殊勲。その後、メキシコ、ハンガリーの選手を連破したが、準々決勝で2年連続世界王者のカイル・デイク(米国)に逆転負けし、準決勝進出を逃した。デイクが決勝に進み、敗者復活戦に回って銅メダルを目指す。
吉田は初戦の2回戦で2021年世界軍隊選手権優勝のウラジスラフ・バリエフ(ロシア)を破り、続く準々決勝はモンゴル選手にテクニカルスペリオリティで勝利。しかし、準決勝で昨年3位のオスマン・ヌルマゴメドフ(アゼルバイジャン)にテクニカルスペリオリティ負けし、3位決定戦で銅メダルを目指すことになった。
79kg級の三輪優翔(ALSOK)は1回戦で敗れ、敗者復活戦に回れなかった。
各選手の成績は下記の通り。
【57kg級】樋口黎(ミキハウス) 33選手出場《トーナメント表》
決 勝 Stevan Andria Micic(セルビア)=18日に実施
準決勝 ○[テクニカルスペリオリティ、4:18=11-0]Meirambek Kartbay(カザフスタン)
準々決勝 ○[16-14]Arsen Harutyunyan(アルメニア)
3回戦 ○[4-1]Wanhao Zou(中国)
2回戦 ○[テクニカルスペリオリティ、2:10=10-0]Georgi Valentinov Vangelov(ブルガリア)
1回戦 BYE
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【74kg級】高谷大地(自衛隊) 45選手出場《トーナメント表》
敗復戦 Magomet Evloev(タジキスタン)とNurkozha Kaipanov(カザフスタン)の勝者=18日に実施
準々決勝 ●[4-6]Kyle Douglas Dake(米国)
3回戦 ○[5-0]Murad Kuramagomedov(ハンガリー)
2回戦 ○[テクニカルスペリオリティ、5:37=17-5]Anthony Valencia Gomez(メキシコ)
1回戦 ○[7-2]Frank Chamizo Marquez(イタリア)
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【79kg級】三輪優翔(ALSOK) 27選手出場《トーナメント表》
1回戦 ●[テクニカルスペリオリティ、5;17=0-11]Ramazan Ishak Sari(トルコ)
※敗者復活戦に回れず
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【92kg級】吉田アラシ(日大) 24選手出場《トーナメント表》
3決戦 Denys Sahaliuk(ウクライナ)とZahid Valencia(米国)の勝者=18日に実施
準決勝 ●[テクニカルスペリオリティ、1:22=0-10]Osman Nurmagomedov(アゼルバイジャン)
準々決勝 ○[テクニカルスペリオリティ、5:12=11-1]Gankhuyag Ganbaatar(モンゴル)
2回戦 ○[7-0]Vladislav Valiev(AIN=ロシア)
1回戦 BYE