2023.08.11

【特集】群馬・草津にレスリングが帰ってきた! 自然の中で男子グレコローマン選手を中心に猛練習、世界選手権へ挑む!

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 

(文・撮影=布施鋼治)

 7月30日から8月4日まで、群馬・草津町総合体育館で、日体大、自衛隊、育英大の男子グレコローマン選手が中心となった合宿が実施された。

 男子グレコローマンの世界選手権代表を大勢擁する日体大の松本慎吾監督は「もともと全日本の強化合宿でやる予定だったのですが、諸事情によってできなくなり、自衛隊と育英大の協力のもと、当初の予定通りの日程でやることになりました。草津合宿を経て、ドイツ遠征、世界選手権という流れを崩したくなかった」と説明する。

▲標高1200メートルの草津。東京よりかなり涼しく、エアコンなしの自然の空気の中での練習

 参加した世界選手権代表選手は、60㎏級の文田健一郎(ミキハウス)、63kg級の池田龍斗(a.c.wals)、67kg級の曽我部京太郎(日体大)、72kg級の原田真吾(ソネット)、77kg級の日下尚(三恵海運)、82kg級の屋比久翔平(ALSOK)、87kg級の角雅人(自衛隊)、97kg級の奈良勇太(警視庁)、130kg級 奥村総太(自衛隊)の9選手。

 他にも、世界選手権出場組としては男子フリースタイル97kg級の石黒峻士(新日本プロレス職)、女子57㎏級の櫻井つぐみ、同62㎏級の元木咲良、女子68㎏級の石井亜海(いずれも育英大)が参加し、ともに汗を流した。

▲初の世界選手権出場に燃える曽我部京太郎(日体大)

トップ選手同士の激しいスパーリングが次々と展開された

 31日は多くのメディアに練習を公開した。屋内でスパーリング中心のマット練習を実施。屋比久VS角、角VS石黒、曽我部VS清水賢亮(自衛隊)など、合同合宿ならではの組み合わせの激しいスパーリングが次々と実現した。

 コロナ前は、全日本グレコローマン・チームによる草津合宿は夏の恒例行事だった。さかのぼれば、1988年ソウル・オリンピック以前から実施されており、ここで汗を流した選手が世界選手権やオリンピックでメダルを取って来た。

 今回は4年ぶりの実施。文田は「前回(2019年)、草津合宿に参加したときには、その年の世界選手権で優勝することができ、東京オリンピックの出場枠を獲得することができた」と振り返る。

▲草津合宿→世界選手権優勝だった2017・19年。その縁起のよさにあやかれるか、文田健一郎(ミキハウス)

 「その2年前に初めて世界選手権で優勝したときも、そうだった。草津での合宿は日体大に入ってからずっとやり続けてきたことなので、この合宿がなかったときは、世界選手権までのひとつの山というか、追い込む期間がなくなってしまった気がしていた。いろいろな方々の協力のもと、こうして実施できたことに感謝したい」

 31日の午前中は山道を走り、ゴールに設定された屋外の温泉で鋭気を養った。4日までの合宿を終えた文田ら6選手のドイツ遠征チームは、8日、ドルトムントへ向けて出発した。

▲練習後は野外の温泉で記念撮影