※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
7月12~14日にヨルダン・アンマンで行われた2023年U15アジア選手権に出場した日本チーム(女子・男子フリースタイル)が7月17日早朝、帰国した。UAE・アブダビからの飛行機が機体不調で引き返すアクシデントに遭遇。予定より約20時間遅れでの日本となったが、全員が元気に日本の地を踏んだ。
女子は昨年の3階級優勝を上回る「金5・銀3」で、インドに奪取された国別対抗得点の優勝を奪還。男子フリースタイルは2018年大会(イラン)以来となる複数階級優勝(2階級)を達成し、国別対抗得点は145点で3位だった。
女子は全員が、総当り、またはノルディック方式となり、トーナメント戦に比べると試合数が多い中での好成績。舩越光子監督(栃木・下野サンダーキッズ)は「勝った試合も負けた試合も僅差の試合が多く、選手達はよく頑張ったと思います」と、選手の健闘をねぎらった。例年、抽選でインド選手との対戦が決まると嫌がる選手が多かったというが、今年の選手達は過剰に意識をせず闘えていたとのこと。「いい傾向だったと思います」と、選手の意識の向上が頼もしそう。
団体優勝の源は「小塚菜々キャプテン(三重・INABEアカデミー)が全員をしっかりまとめたこと」のほか、男女でお互いに応援をし合うなどチームジャパンとしての一致団結も挙げる。「サポートしてくださった男子フリースタイルの伊東克佳監督、前田翔吾コーチ、森田大樹トレーナーのほか、大会参加にあたってご尽力頂いた皆様に心より感謝致します」と結んだ。
男子フリースタイルの伊東克佳監督(東京・GLORIA)は「U15の派遣にあたり日本レスリング協会、全国中学生レスリング連盟、関係者各位には大変お世話になりました」と第一声。
「全員が表彰台に上がることができれば団体優勝も夢じゃない」との気持ちで試合に臨み、チーム一丸となって現地での練習、ミーティングを重ねて大会当日を迎えたという。「その結果、金2、銀1、銅3の成績で、団体3位を獲得できました。全員がメダル獲得とはなりませんでしたが、各々が日本代表として恥じることのない闘い方をしていました」と振り返った。
負けていても最後の最後まで諦めない気持ちがうかがえ、強豪国と互角に闘う試合を見て、「普段、各所属でやっている練習が間違いじゃないことが証明できたと思います。負けた選手を含め、試合後に自分の試合の動画を見て研究したりで、今回の遠征は有意義だったと思います。将来のオリンピック日本代表を目指すには、さらなる努力が必要となります。今回の経験を生かして精進してもらいたいです」と話した。
飛行機のアクシデントでは、機内の室温が異常に上昇した以外は、異常音がするわけでもなく、乗客も冷静だったという。(写真はチーム提供)