※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
7月1日に埼玉・富士見市立市民総合体育館で行われる全日本社会人選手権の男子フリースタイル125kg級にエントリーした谷津嘉章(日本障がい者レスリング連盟)が6月29日、「逃げ出したい心境だが、逃げるわけにはいかない。勝敗より、出ることが大事」と決意を話した。
プロレスラーの谷津は糖尿病のため右脚のひざから下を失ったが、生きる希望を失わず、義足でプロレスに参戦し、東京オリンピックの聖火ランナーを務めるなど、前向きに生きている(関連記事)。今回、義足を外してレスリングの大会に挑戦。3位以内に与えられる予定の全日本選手権の参加資格を目指す。
エントリーしたあと、母校の栃木・足利大附属高校で特訓を積み、試合出場に備えている。「普通の半分の動きかな」との感想だが、「出るからには全力を尽くす。先制攻撃でポイントを取る。背水の陣で挑みます」と気合十分。
谷津の試合を取材するため、多くのメディアの取材申請が集まっていることを聞かされると、「ますます逃げられないですね」と話し、日本レスリング史上初となる片脚の選手のレスリング参戦へ挑む。(組み合わせ)
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