※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
(取材・撮影=保高幸子)
キルギス・ビシュケクで行われたU17アジア選手権に出場した女子チームが6月14日、成田空港に帰国した。46kg級の片岡優(千葉・チームリバーサル)が優勝し、「銀2・銅4」を獲得したものの、昨年と同じくインドが強さを発揮し、7階級を制する強さに直面。国別対抗得点では71点もの差をつけられた。
昨年、U15アジア選手権の女子監督としてチームを率いた坂本涼子監督(兵庫・芦屋学園高教)は、そのときにインドの強さを経験済み。「去年の大会で見た選手もいました。U15やU17世代は相当強化しています。このままシニアになったとき、どんなふうになるのかな、と思います」と警戒感を強める。
日本チームは、国際大会は初めてという選手がほとんどで、「外国選手の力強さや組み手、投げ技、ラフなファイトの洗礼を受けたという感じです」と分析。日本のレスリングは「きれい」(坂本監督談)だが、外国選手の中には腕を力づくでつかんでくるなど、ケンカ腰で向かってくる選手もいる。「そうした闘いの経験が少ないので、リズムがつかめない面があった」と言う。
ただ、インド選手のテクニックが上がっているのも事実と見ている。「グレコローマンのような闘い方もしてきました。対策が必要です」と話した。また、国別対抗得点3位の中国とは4点差で、1選手でも成績が悪ければ3位に転落していた状況であることを指摘し、中国に復活の兆しがあることも感じた様子だ。
そんな中でも、優勝した片岡は「タックルの処理が早く、組み際を狙ううまさがあった」と評価。優勝を逃した選手も、勝った試合は自分のレスリングがしっかりできていたので、長所を生かしてワンランク上の実力養成を望んだ。
チームで唯一金メダルを取った片岡は「国内での練習の成果を発揮できる国際大会の機会をいただけたことに、感謝の気持ちでいっぱいです」と第一声。初めての海外での試合に緊張も興奮もあったそうだが、「国内でのこれまでの試合の反省点を改善して臨めたと思います」と振り返った。
優勝したとはいえ、当然、技術面で改善すべき点もあった。「練習を重ね、大きな夢に向かっていきたい。今回はジュニアクイーンズカップ2位でのアジア選手権出場でしたが、次はクイーンズカップで優勝して世界大会に出場し、勝ちたいです」と、さらなる飛躍を誓った。