2023.06.11

【6.15~18明治杯全日本選抜選手権・展望(26)】文田健一郎の穴を鈴木絢大(レスターホールディングス)が埋めるか…男子グレコローマン60kg級

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 

 来年のパリ・オリンピックの第1次選考を兼ねる今年9月の世界選手権(16~24日、セルビア・ベオグラード)の日本代表選考となる2023年明治杯全日本選抜選手権は6月15日(木)~18日(日)に東京・東京体育館で行われる。

 オリンピック階級では、昨年12月の天皇杯全日本選手権1位の選手が優勝すれば、世界選手権の代表に決定。別の選手が優勝すれば、2人のチャンピオンによってプレーオフが行われ、勝った選手が代表へ。世界選手権で3位以内に入れば、2024年パリ・オリンピックの代表に内定する(関連記事=非オリンピック階級の代表選考も同記事参照)。各階級の見どころをさぐった。

《大会要項》 /  《大会日程=各日の実施階級》 / 《観戦チケット販売》


男子グレコローマン60kg級・展望(2023年6月17・18実施)

※エントリーに基づいた予想であり、直前の負傷等による戦力ダウンは勘案しておりません。

 2021年東京オリンピック銀メダルで昨年の世界選手権3位の文田健一郎(ミキハウス)は、負傷のため欠場を表明。空いた座を、昨年2位の鈴木絢大(レスターホールディングス)、全日本選手権2位の河名真偉斗(自衛隊)、同3位の稲葉海人(日体大大学院)、世界選手権55kg級3位の塩谷優(拓大)が争う。

 鈴木は負傷もあって全日本選手権は7位に沈んだが、昨年のアジア選手権3位、国体優勝と実績的には文田の穴を埋める実力は十分。コンディションをしっかり整えれば、優勝候補の筆頭と言える。

 河名は2月の「ザグレブ・オープン」(クロアチア)と4月のアジア選手権で、ともに銅メダルを獲得し、国際舞台でも通じる実力を養成。昨年のU23世界選手権7位の稲葉も、「ザグレブ・オープン」に出場して(5位)経験を積んでいる。塩谷は4月のU23世界選手権予選で優勝を逃すなど、60kg級への対応が課題。

 塩谷を破ったのは、2020年全日本大学グレコローマン選手権で1年生王者に輝いた竹下航生(拓大)。負傷で約1年のブランクがあり、昨年の全日本選手権で復帰して5位。それから半年がたって、今大会で本領を発揮するか。

▲文田健一郎は戦線離脱、千載一遇の機会を生かせるか、鈴木絢大(レスターホールディングス)=撮影・矢吹建夫

《2022年天皇杯全日本選抜選手権・成績》60kg級全成績

 ▼決勝
文田健一郎(ミキハウス)○[6-0]●河名真偉斗(自衛隊)

 ▼3位決定戦
稲葉海人(日体大大学院)○[Tフォール、4:22=11-1]●竹下航生(拓大)
田野倉翔太(東京・自由ヶ丘学園高教)○[7-4]●五味虹登(育英大)

《歴代優勝選手》男子フリースタイル男子グレコローマン女 子


エントリー選手(12選手)

▲鈴木絢大

▲河名真偉斗

▲稲葉海人

▲塩谷優


※昨年の世界選手権代表選手、昨年の天皇杯全日本選手権のこの階級の1~3位選手以外はアイウエオ順

《2022年世界選手権3位/2022年天皇杯全日本選手権優勝》
文田健一郎(ふみた・けんいちろう=ミキハウス)
1995年12月18日生まれ、27歳。山梨県出身。山梨・韮崎工高~日体大卒。168cm。2022年全日本選抜選手権優勝

《2022年世界選手権55kg級3位》
塩谷優(しおたに・ゆう=拓大)
2001年10月27日生まれ、21歳。東京都出身。東京・自由ヶ丘学園高卒。157cm。2022年全日本大学グレコローマン選手権3位

《2022年天皇杯全日本選手権2位》
河名真偉斗(かわな・まいと=自衛隊)
2000年1月15日生まれ、23歳。広島県出身。広島・三次高~専大卒。168cm。2022年国民体育大会2位

《2022年天皇杯全日本選手権3位》
稲葉海人(いなば・かいと=日体大学大学院)
1999年5月18日生まれ、24歳。東京都出身。山梨・韮崎工高~日体大卒。171cm。2022年明治杯全日本選抜選手権3位

木村太智(きむら・たいち=中大)
2005年1月14日生まれ、18歳。千葉県出身。千葉・日体大柏高卒。165cm。2022年国民体育大会(少年)優勝

五味虹登(ごみ・こうと=育英大)
2004年3月15日生まれ、19歳。山梨県出身。山梨・甲府城西高卒。165cm。2022年全日本大学グレコローマン選手権2位

古家野蓮(こやの・れん=自衛隊)
2000年2月11日生まれ、23歳。岡山県出身。岡山・高松農高卒。160.8cm。2022年全日本社会人選手権優勝

鈴木絢大(すずき・あやた=レスターホールディングス)
1998年11月11日生まれ、24歳。静岡県出身。静岡・飛龍高~日体大卒。160cm。2022年国民体育大会優勝

曽根敬次郎(そね・けいじろう=専大)
2001年5月2日生まれ、22歳。長野県出身。長野・上田西高卒。162cm。2022年国民体育大会3位

竹下航生(たけした・こうせい=拓大)
2001年7月24日生まれ、21歳。香川県出身。香川・高松北高卒。158cm。2022年天皇杯全日本選手権5位

藤波諒太郎(ふじなみ・りょうたろう=自衛隊)
1997年11月12日生まれ、25歳。埼玉県出身。石川・金沢北陵高~専大卒。168cm。2022年天皇杯全日本選手権5位

宮崎駆(みやざき・かける=専大)
2002年8月14日生まれ、20歳。奈良県出身。長野・上田西高卒。171cm。2022年東日本学生春季新人戦優勝