ロシア・チェチェン生まれのフランス2選手が優勝…2023年U23欧州選手権（男子フリースタイル）

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

▲ロシア・チェチェン生まれのラヒム・マガマドフ（フランス）。昨年のU20欧州&世界に続いて栄冠を勝ち取った＝UWWサイトより

　2023年U23欧州選手権の男子フリースタイルは3月17～19日にルーマニア・ブカレストで行われ、フランスが2階級を制した。

　優勝したのは、65kg級で昨年のU20世界選手権61kg級3位のハムザト・アルサメルゾウエフと、86kg級で昨年のU20欧州＆世界を制したラヒム・マガマドフの2選手。他に92kg級でアドラン・ビスハノフが3位に入った。

　ロシア・チェチェン共和国の隣にあるダゲスタン共和国レスリング協会のホームページによると、3選手ともチェチェン共和国生まれで、今大会には他にも同共和国出身の３選手が参加している。1999年途中から2010年頃まで続いた第二次チェチェン紛争の際、ロシア軍の侵攻によって数多くの人が同国からフランスへ移って、そのままフランス国籍を取得し、彼らはそうした移民選手とのこと。幼少の頃はチェチェンでレスリングをやっていたそうだが、国際大会には最初から「フランス」で出場している。来年の地元開催のオリンピックまでにメダルを狙える実力をつけられるか。

　アゼルバイジャンが3階級を制し、国別対抗得点で140点をマークして優勝。ドイツ、ウクライナ、ギリシャ、ジョージア、ブルガリアが1階級ずつ勝った。昨年、ギリシャ選手として男女を通じて初優勝した79kg級のゲオルギオス・コウギオウムチディスは2連覇を達成。

　各階級の決勝は下記の通り。

男子フリースタイル決勝成績

【57kg級】
Niklas STECHELE（ドイツ）○［4-2］●Tolga OZBEK（トルコ）

【61kg級】
Andrii DZHELEP（ウクライナ）○［Ｔフォール、1:53=10-0］●Mezhlum MEZHLUMYAN（アルメニア）

【65kg級】
Khamzat ARSAMERZOUEV（フランス）○［不戦勝＝負傷］●Rashid BABAZADE（アゼルバイジャン）

【70kg級】
Magomed KHANIEV（アゼルバイジャン）○［Ｔフォール、4:10=10-0］●Hayk PAPIKYAN（アルメニア）

【74kg級】
Turan BAYRAMOV（アゼルバイジャン）○［1-1］●Vasile DIACON (MDA)

【79kg級】
Georgios KOUGIOUMTSIDIS（ギリシャ）○［6-4］●Vladimeri GAMKRELIDZE（ジョージア）

【86kg級】
Rakhim MAGAMADOV（フランス）○［Ｔフォール、3:40=11-1］●Knyaz IBOYAN（アルメニア）

【92kg級】
Andro MARGISHVILI（ジョージア）○［7-1］●Muhammed GIMRI（トルコ）

【97kg級】
Islam ILYASOV（アゼルバイジャン）○［6-1］●Oktay CIFTCI（トルコ）

【125kg級】
Georgi IVANOV（ブルガリア）○［Ｔフォール、4:17=10-0］●Volodymyr KOCHANOV（ウクライナ）