2022.09.10

小原日登美さん、吉田沙保里さん、伊調馨さんがUWW殿堂入り…小原さんが授賞式へ出席

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 

 世界レスリング連盟(UWW)は9月9日、セルビア・ベオグラードで2022年の殿堂入り選手の授賞式を行い、日本から小原日登美さん、吉田沙保里さん、伊調馨さんの3人が受賞。小原さんが櫻色の着物姿で出席し、吉田さんは谷岡郁子・日本協会副会長が、伊調さんは富山英明・同会長が代理で記念品を受け取った。

UWW殿堂入りの小原日登美さん。夫の康司さんと2人の子供とともに授賞式に参加した

 日本人の受賞は、2018年の中田茂男さん(1968年メキシコ・オリンピック金メダル他世界選手権2回優勝)と正田絢子さん(世界選手権4回優勝)以来で、女子では4~6人目、男女通算で10~12人目となる。

 夫・康司さんと2人の子供ともに出席した小原さんは「家族そろっては初めての海外旅行になります、こうした機会で旅行となり、うれしいです」と受賞の感想。本来なら2021年の受賞者として、昨年の東京オリンピックのときに授賞式が行われる予定だったが、外国人の入国が制限されたことなどで延期となり、今年の授賞となった。地元で賞を受けるのもいいが、「家族で海外に来られてよかったです」と言う。

 世界選手権優勝8回、2012年ロンドン・オリンピック優勝という栄光が評価されての受賞。その間には、階級アップに失敗しての挫折、復帰しながら2008年北京オリンピックを逃しての引退、階級を下げてのオリンピックの優勝という壮絶な闘いがあった。

受賞者勢ぞろい(吉田沙保里さんは谷岡郁子・日本協会副会長が、伊調馨さんは富山英明・同会長が代理で受賞)

 「選手時代を思い出しますか?」という問いに、「すごかったな、と思うことは、あまりないんです」と言う。現在は自衛隊でコーチをしており、「勝たせることの難しさを感じますし、教えている選手に世界で勝つことのすばらしさを経験させてやりたい、という思いの方が強いんです」と言う。

 それでも、「オリンピックから10年ですね」の声に、「10年たちましたね。その間に長男、長女が誕生し、子育てに大変な思いをしています」と感慨深そう。

 この日は欠席だったが、小原さんが引退するまで切磋琢磨してきた吉田さん、伊調さんと同時受賞も記念すべきこと。「一緒に表彰されたかったのですが、2人とともにやってこられたことが光栄なことなんだな、と感じます。レスリングを通じて、いい経験をさせてもらいました。一人ではできないこと。お世話になった方々に、ありがとう、と言いたいです」と締めくくった。


▲小原日登美さん

▲吉田沙保里さんの代理の谷岡郁子・日本協会副会長

▲伊調馨さんの代理の富山英明・日本協会会長

▲会場前ロビーにあったタペストリ