※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
高校時代にレスリングで国体王者に輝き、大相撲へ進んだ琴裕将(本名・稲垣善之)が、西幕下筆頭で迎えた九州場所で4勝3敗と勝ち越し、11月30日に行われた番付編成会議で十両への昇進が決まった。
琴裕将は、相撲と柔道を経て奈良・大和広陵高でレスリングへ。2012年にインターハイ120kg級2位、国体グレコローマン120kg級で優勝などの成績を残した。現在、全日本選手権で7連覇中の園田新(現ALSOK)と何度も闘っている。
2012年の日韓高校交流会のメンバーに、樋口黎や文田健一郎(ともに現ミキハウス)、屋比久翔平(現ALSOK)らとともに選ばれている(関連記事)。法大へ進んだあと、中退して大相撲の道へ進み、2016年春場所に初土俵。5年をかけて関取に昇進した。
レスリングから大相撲と言えば、琴欧洲(現鳴戸親方=ブルガリア)が有名。ジュニアのブルガリア代表だった。外国人には、多少なりともレスリングを経験している力士が多い。日本では1980年モスクワ・オリンピックの幻の代表だった宮内輝和が日大を中退して大相撲へ進んだ。
現在、大相撲で活躍している力士では、前頭の宇良(本名・宇良和輝)が大阪・エンジョイ出身で、小学校4年生のときに出場した2002年全国少年少女選手権2位の成績。高校からは相撲に専念。前頭の豊昇龍は母国モンゴルでレスリングをやっており、千葉・日体大柏高に留学したあと、相撲に魅せられて転向した。
幕下では、島根・隠岐養護学校の選手として2010年国体フリースタイル120kg級で優勝して大相撲入りした海士の島(本名・宇野信之)が十両昇進を目指している。