※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
11月23~25日の東日本学生秋季選手権で、2021年度の東日本学生連盟主催の全大会が終了。連盟史上初めて女子の学生委員長となった宮内美里・委員長(東洋大)の“歴史的1年”が終わった。
来月16~19日の全日本選手権(東京・駒沢体育館)も貴重なスタッフとして参加するので、まだ「活動が終わった」という感覚はないようだが、「リーグ戦が中止になったあと、春と秋の選手権、インカレ(男子フリースタイル)と開催され、よかったです」と1年間を振り返った。「楽しかった」と口にする一方、どことなく寂しそうな表情も。
昨年から連盟内の主要な位置にいて、そこで感じた課題をきちんとこなすことができた、との感触はあり、「合格点がもらえたのではないでしょうか」との自己採点。「いろんな人に助けられたことに感謝したい。ただ、全日本選手権が最後、という気持ちです。そこでしっかりできなければ、悔いが残ると思います」と続けた。
最終日の表彰式では、進行アナウンサーが選手を起立させて一礼させたあと、座らせることを忘れて進行しようとすると、すぐに「座らせて」と指示するなど、スムーズな運営をフォローするシーンが何度か見られ、存在感のある行動が目立った。
この大会には、女子76kg級全日本チャンピオンの鏡優翔選手(東洋大)が審判団の一員として参加していた。大学の先輩の宮内委員長の勧めによるもので、「実力アップのためにはルールをしっかり覚えることが必要」という理由のほか、審判のステータスを上げる意味もあったという。
「下山田さん(培=男子グレコローマン67kg級)も審判をやっていましたが、全日本のトップ選手がやることで、審判に対する目が変わると思います」との持論。ともすると、トップをあきらめた選手や、けがで選手生活を断念した選手がやる、というイメージがある審判だが、トップ選手が携わることで、「審判への見方が変わるはず」と言う。
審判の重要性が伝わって多くの学生が関心を持ち、「ルールを知るため」との理由でトップ選手を含めて多くの学生が参加してくれれば、審判の質の向上につながり、強化にも役立つはず。「トップを目指している選手にも、ぜひとも審判に挑んでほしいと思います」と訴えた。
来シーズンは男子が委員長となる予定だが、「本部だけでなく、審判にも女子学生が多くなったと思います。連盟は、スタッフに男女の区別なく起用しています。私が抜けても、女子役員が減ることなく続けてほしいです」と、女子役員のさらなる台頭を期待した。