※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
《第1シード》ムサ・エブロエフ(ロシア) / 《第2シード》アルトゥール・アレクサニャン(アルメニア) / 《第3シード》モハマドハジ・アブドラハ・サラビ(イラン) / 《第4シード》タデウズ・ミチャリク(ポーランド)
2017年世界選手権2位(98kg級)で、2018・19年を制したムサ・エブロエフ(ロシア)が安定した実力を見せている。2018年7月から、2度ずつの世界選手権と欧州選手権を含めて国際大会を12大会連続で制覇。この間、国内では1敗を喫しているが、安定度は抜群だ。
実績では、オリンピック2連覇を目指すアルトゥール・アレクサニャン(アルメニア)も負けてはいない。2014~17年にオリンピックを含めて4年連続世界一。ただ、2018年に背骨を負傷。世界選手権の最中にろっ骨を痛めて3位決定戦を棄権。復活して2019年欧州大会などを制したが、本調子ではないもよう。昨年12月の個人戦ワールドカップは7位、今年2月の「ウクライナ国際大会」は5位と低迷した。
この2選手以外は横一線という状況。2019年世界選手権3位のミヘイル・カジャイア(セルビア=元ジョージア)とセンク・イルデム(トルコ)、2019年U23世界選手権3位でアジア予選優勝のモハマドハジ・アブドラハ・サラビ(イラン)、2019年世界ジュニア選手権優勝でパンアメリカン予選優勝のガブリエル・アレハンドロ・ロシーヨ・キンデラン(キューバ)、2020年個人戦ワールドカップ2位で世界予選優勝のアレックス・ゾイク(ハンガリー)の中から優勝を争う選手が出るか。
伏兵的な存在になりそうな選手が、欧州予選を1位で勝ち抜いたアービ・マーティ・サボライネ(フィンランド)。2018年世界ジュニア選手権優勝、2019年U23欧州&世界選手権優勝と段階をふんで実力をつけてきた。戦前のレスリング大国、フィンランドから1984年以来のチャンピオン誕生なるか。